『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』 ハイディ・グラント・ハルバーソン
タイトル : やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学
作者 : ハイディ・グラント・ハルバーソン
オススメ度
分かりやすさ ★★★★☆
実践しやすさ ★★★★☆
目新しさ ★★☆☆☆
総合オススメ度 ★★★☆☆
「当たり前のこと」をやり切る技術!!
要約
- 目標に具体性を与える
例えば「やせたい」と思うなら、目標は「やせる」ではなく「5kgやせる」であるべき。具体的な目標はやり抜く力を与えてくれる。
「私にとって成功とは何か」「成功への障害は何か」を繰り返し心の中で考えることが大事。目標を達成した時の「感情」を味わい、その時の状況をイメージする。
- 目標達成への行動計画を作る
目標達成への行動計画を「if - then プラニング(もしこうなったら、こうする)」を決めて作る。例えば「4時になったら電話する」など。「XならばY」という文は脳が記憶しやすい。
- 目標までの距離を意識する
「フィードバックで目標への距離を確認する」ことが大事。
初心者への頻繁なフィードバックは萎縮させてしまい逆効果となるが、上級者には頻繁なフィードバックが有効。
「これまでしたこと」より「これからすること」を考えさせるフィードバックが良い。
- 現実的楽観主義者になる
ポジティブに考えることは重要だが、目標達成を甘く考えてはいけない。「望むことは簡単に達成できる」「私に悪いことは起こらない」という非現実的な楽観主義では目標達成できない。目標達成は困難だが、自分には困難を切り抜ける力があると信じることが必要。
- 「成長すること」に集中する
能力は伸ばすことができる。「自分にはそれをする能力がある」と証明することをゴールにすると失敗を恐れてしまうが、「能力を伸ばして今までできなかったことをできるようにする」ことをゴールにすると、失敗してもいいと開き直ることができる。
完璧主義に陥らず、また自身が興味ある対象に取り組むことが大事。
- 「やり抜く力」を持つ
「能力は経験や努力によって高めることができる」という「拡張的知能観」を持つことが「やり抜く力」に繋がる。うまくいかなかった場合も「能力がなかった」と諦めるのではなく「やり方に問題があった」と考え行動を変える努力をする。
- 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
筋肉を鍛えるように意志力も鍛えることができる。気の進まないことでも取り組む価値があると思うことを継続していくことで意志力は強くなる。
また筋肉と同じで意志力も使いすぎると動かなくなる。強い負荷がかかった後は休めることも必要。
「意志力の強い人」を思い浮かべるだけでも意志力を回復する効果がある。
- 自分を追い込まない
意志力には限りがある。困難な目標を複数同時に取り組むのはやめるべき。また目標達成には極力意志力に頼らない方法を探す必要がある。例えば禁煙するなら「意志の力で止める」より「タバコの誘惑がある状況を避ける」方が効率的。
- 「やめるべきこと」より「やりたいこと」に集中する
「〇〇をしてはいけない」と考えると、〇〇のことが気になってしまう。行動を変えるなら「やめること」ではなく「やりたいこと」「やるべきこと」い集中するべき。
感想・考察
目標を具体化し、行動計画を作る。現実的な見方をして、意志力を鍛えてやり抜く。当たり前のことばかりだが、それを継続して実行するのが難しい。
本書では安易な方向に流れることはない。現実世界や自分自身の意志力については厳しめに見積もりながら、「自分が成長すること」についてはとてもポジティブな見方をしている。
「現実は厳しい。意志の力も頼りにならない。でも人間は成長できる」という応援だ。