偽声
【作者】
藤井清美
【あらすじ・概要】
声優を目指す渚の話。
会社を辞め声優養成所に通うがなかなか目が出ない。一緒に学んだ仲間も徐々に脱落していく。
役者である教官からは「声に艶がない」と言われ、「役を愛していない」と指摘される。渚は幼少の頃、母親が父親以外の男に「甘えた声」を出しているのを見て以来、「異性から好感を得るために作った声」に嫌悪感を感じ、そういうキャラクタを愛することができないでいた。
【感想・考察】
声優の世界がどういうものなのか知ることができた。女性が圧倒的に多いこと、養成学校の卒業までに就職が決まらないと仕事を得るのが難しいということ、などなど。
役者と違って現役でいられる時間が長く、新陳代謝が働かない世界で、需要に対して供給が多く、労働環境はあまりよくないのだろう。この競争率の高さが技術レベルの高さを支えているのだと思うが、長期的には衰退してしまうのではないだろうか。
アニメータ、ゲームクリエータ、声優など、夢を持つ人は大事だと思う。