毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

ゲゲゲのゲーテ

水木しげる氏が大切にしていたゲーテの言葉を、

独特の視点で解説しています。

水木氏の力強さを感じる本でした。

  

【タイトル】

ゲゲゲのゲーテ

 

【作者】

水木しげる

 

【あらすじ・概要】

水木氏は太平洋戦争で徴兵を待つ時期に

戦場で死ぬかもしれないという恐怖を克服するため

本をたくさんよみ、その中でゲーテの言葉に惹かれた。

とくにゲーテとエッカーマンの対話集である

「ゲーテとの対話」は座右の書で、

戦地まで持ち歩いて何度も読み返し、

水木氏の地肉になっているという。

 

本書では、水木氏が大事にしている

「ゲーテの言葉」を抜き出し解説している。

 

「明晰な文章を書こうと思うなら

その前に、彼の魂の中が明晰でなければだめだし、

スケールの大きい文章を書こうとするなら、

スケールの大きい性格を持たなければならない」

ゲーテには人間や物事を大まかに見る

おおらかさがあり、大きく解釈して創作している。

ゲーテを読むうちに大きな視点を得ることができる。

 

「なにもかも独学で覚えたというのは、

褒めるべきこととはいえず、

むしろ非難すべきことなのだ」

先人に学ぶことの大事さを説く。

水木氏は「妖怪は伝承があるので

創作してはいけない」という。

先人への畏敬を忘れない。

 

「他の人々には青春は一回しかないが、

この人々には、反復する思春期がある」

ゲーテは終生健全でたくましく

70代になって10代の女性に求婚するくらい

活力にあふれていた。

水木氏も90歳を過ぎて活動的だった。

 

「精神の意志の力で成功しないような場合には、

好機の到来を待つしかない」

水木氏にも作品が売れず苦しむ時期はあったが、

人のために描くという考えはなく

自分のために面白がって描いていたから 

続けられたのだと語る。

 

「賢明な人というものは、

気を散らすような要求は一切退けて、

自分を一つの専門に限定し、一つの専門に通暁する」

水木氏は幼少の頃から「低能」と言われてきたが

それでも頑なに好きなことしかやらなかった。

 

「趣味というものは、中級品ではなく、

最も優秀なものに接することによってのみ作られる」

「人はただ自分の愛する人からだけ学ぶものだ」

水木氏は自分が感銘し、本気で尊敬できるものから

学ぼうとした。彼の場合新約聖書とゲーテから

多くを学んでいる。

 

「大切なことは、優れた意志を持っているかどうか、

そしてそれを成就するだけの技能と忍耐力を持っているかどうかだ」

漫画の場合、絵は描くほどに上手くなるが

ストーリーには才能がいるという。

水木氏の場合、描いても売れない時期が続いたが

絵を描くことが好きだったから猛烈に頑張って

運を掴み取った。

 

われわれがもうほとんど希望を

失ってしまっときにかぎって、

われわれにとって良いことが準備される

幸せに限りはないが、本人が納得して満足すればそれが幸せ。

幸せは感染する。

 

「剣豪とぼたもち」

 宮本武蔵は茶店で、自分より後に注文した客たちが

先にぼた餅を食べているのを見て心を乱される。

それでも品位を保とうとするが、最後のぼたもちが

取られそうになったとき、空腹に負け怒りをぶつけ、

客たちと争い彼らの耳を切り落としてしまう。

武蔵は「腹が空けば雲助も剣豪も同じことをする」と苦笑する。

 

【感想・考察】

水木氏の言葉から人物の大きさを感じられる。

戦地で腕を失いながら「妖怪」にこだわり続け

独特な作品を量産してきただけあり、

こだわりの強さと、流されない図太さがある。

 

ゲーテの言葉の解釈も面白いが、

巻末の漫画「剣豪とぼたもち」が良かった。

水木氏の作品はアニメで見たくらいで原作を知らないので

オリジナルの漫画を探して読んでみようと思う。 

 

 

たった一人の熱狂 仕事と人生に効く51の言葉

角川書店を退職し幻冬舎を立ち上げた著者が

ビジネスでの心構えを説いた本です。

著者が「755」というSNSに書いた言葉を

ベースに作ったとのことです。

熱いです。

 

【タイトル】

たった一人の熱狂 仕事と人生に効く51の言葉

 

【作者】

見城徹

 

【あらすじ・概要】

主にビジネスでの心構えについて記した

51の言葉を解説している。

 

なぜ仕事に熱狂するのか

見城氏にとっては「本の仕事」以外に逃げ道がなかった。

転職と出会いたいなら自分の内なる声に耳を澄ますべき。

 

一休みなんかするな

ひとつの仕事が終わったからといって休憩はしない。

プロジェクトの終わり間際には、同時並行で

新しいプロモーションを仕込んでいる。

人生に空白を作らず、あがくうちに熱狂できる仕事に出会える。

 

売れない本に価値はない

「売れなかったけれど良い本」だという言い訳はしない。

売れる本はマジョリティーの欲求を汲み取っていて

間違いなく良い本だと言える。

本でいえば何らかの受賞をするのも意味はあるが

部数が何冊出て利益がいくら上がったかにこだわる。

 

一撃必殺のキラーカード

圧倒的な努力を積み重ねることで

「自分の強みとなるキラーカード」を手にすることができる。

自分の手元に強力なキラーカードが揃えば

ビジネスパートナーは向こうから近づいてくる。

ビジネスにおける交渉はキラーカードの交換だ。

 

GNOは絶対死守

GNO(義理・人情・恩返し)は絶対に守る。

この点では小さなことにもこだわり

ささいな約束も絶対に守るようにしている。

 

安目を売るな

仕立てに出る必要がない場面でへりくだり相手に借りを作ると

それが弱みとなり、相手を優位に立たせてしまう。

これぞというとき以外に、安易に借りを作らない。

 

金が全てだ

学生運動に影響を受けた世代だが

革命の主導者たちに「借り」を持っている気分で

軽々に理想を口にすることが申し訳ないと思うようになった。

逆に自分が否定し続けた資本主義の世界で

のし上がってやろうと心に決めた。

 

【感想・考察】

1950年前後に生まれた人の「熱っぽさ」は

最近の人たちの「熱さ」と質が違う感じがする。

 

 

どの世代にも、熱量の高い人はいるものだが

見えている世界が違っているのかもしれない。

 

自分にはない感性を持つ人の話が聞けるのも読書の醍醐味だ。

 

 

掟上今日子の推薦文 忘却探偵

前作の「掟上今日子の備忘録」が面白かったので

続編を読んでみました。

忘却探偵 掟上今日子のキャラが

前作以上に強烈になってます。

気軽に読めるミステリでした。

 

 

【タイトル】

掟上今日子の推薦文 忘却探偵

 

【作者】

西尾維新

 

【あらすじ・概要】

前作の隠館厄介から語り手が変わり

警備会社に勤めていた「親切守」がワトソン役となる。

 

1章 鑑定する今日子さん

美術館を警備していた親切は

白髪の美女 掟上今日子が、頻繁にある絵を眺めていることに気づく。

彼女は、この絵には「二億円の価値がある」と言った。

数日後、同じ絵を見た彼女は

「この絵にはせいぜい二百万円の価値しかない」と

評価を急変させる。

 

同じころ、10歳くらいの少年 剥井がスケッチブックをもって

その絵を模写していた。鉛筆描きの白黒の絵だったが、

その圧倒的なち密さに、親切は驚かされる。

そしてその数日後、憤った様子の老人 和久井 が現れ、

その絵を杖で叩き落し、額縁ごとメタメタにしてしまった。

 

親切は、絵を守れなかったことで警備会社をクビになってしまう。

絵を守れなかったことの責任を感じ、

クビになったことは受け入れた親切だが、

その絵を巡って何があったのか知りたいと願い、

以前その絵を見ていた探偵 掟上今日子に連絡を取る。

 

2章 推定する今日子さん

3章 推薦する今日子さん

警備会社をクビになり、職を探していた親切に

和久井老人から警備の依頼が入る。

「自分の人生を総括するような大きな仕事をしたいので

集中できるよう警備をしてほしい」との依頼だった。

 

一人での警備に不安を覚えた親切は

掟上今日子に警備の支援を依頼するが

「一日で終わらない仕事」は受け入れられないと断られる。

 

 

【感想・考察】

前作での「百万円を返してほしければ、一億円払え」とか

今作での「先日は2億円だったけど、今日は二百万円の絵」など

分かりやすくキャッチーな謎が面白い。

 

掟上今日子のキャラ立ちは前作より強烈になっている。

前作から垣間見せていた「強欲さ」に磨きがかかり

「どうせ覚えていない」と腹を括った豪胆さが光る。

 

掟上今日子 本人の謎を解き明かす話を読みたいと思う。

 

 

ビジネスマンのための「発見力」養成講座 こうすれば、見えないものが見えてくる ビジネスマンのための力養成講座シリーズ

小宮一慶氏の「〇〇力養成講座」シリーズです。

最近、Amazonの Prime Reading に、

このシリーズがどんどん追加されています。

よくまとまっていて読みやすく、おススメです。

 

 

【タイトル】

ビジネスマンのための「発見力」養成講座 こうすれば、見えないものが見えてくる ビジネスマンのための力養成講座シリーズ

 

【作者】

小宮一慶

 

【あらすじ・概要】

「発見力」とは「ものが見える力」

同じものを見ていても人によって得るものが違う。

まず、対象に「関心」を持ち、「仮説」を立てて臨むことで

より深くものを見ることができる。

 

1. 見えているようで見えていない

①気にしていると、ものは見える

セブンイレブンの看板など毎日数十回見ていても

気にしていないと詳細は目に入ってこない。

ところがそこに関心をもつと見えてくる。

 

②思い込みがあると、ものは見えない

「こうなっているはず」という思い込みが強いと

目の前の現実が見えなくなってしまうこともある。

 

③人は、自分に必要なことを選んでみている

自分が必要だと思ったところに注意を集中している。

そうでなければ混乱してしまう。

 

④人は、本当に人ようなものを見ていないこともある。

ただ、本当に必要なものに注意を集中できているとは限らない。

 

2. 関心と仮説

①対象に関心を持つ

関心が情報をスクリーニングしている。

また「仮説」を持つとよりシャープに見ることができる。

 

②分解してポイントを絞って見る

漠然と見るのは難しい。

例えば服の流行の観測であれば

最初の檀家では「色に着目」とか「素材に着目」など

ポイントを絞ってあげると見えやすくなる。

 

③疑問に感じたことの理由を考える

ものが見えてくると「なぜそうなっているのか」が気になる。

例えば新幹線のグリーン車利用率に関心を持つと、その推移で

「なぜグリーン車の利用が激減しているのか」と疑問を感じる。

 

④全体を推測しうる一点を考える

ある一点を見ることによってその全体像がわかるような仮説を立てる。

例えば「一流ホテルでは顧客を靴で判断する」など。

 

⑤先入観を疑う

「レッテル貼り」が判断を鈍らせることがあるので注意する。

 

 

⒊ 例えば、こう見えてくる。

社員数かける企業規模ごとの一人当たり売上から

企業の売上規模を推測したり、

最短での財務健全性の判断には

「流動資産と流動負債」の比率を見る、など。

 

⒋ 見える力の養い方

①他の人より少し余計に勉強する

フレームワークなどの道具を使いこなし、

物事を根幹から考える。

 

②新聞を読む

関心の幅を広げるため、

新聞をあえて一面から順に読んでいく。

同じ情報を定点観測することで

情報の意味が見えてくる。

 

③ふつうのものをたくさん見る

ノーマルなものをたくさんみることで

異常値が発見できる。

 

④問題解決を極める

問題解決の経験を重ねることで、

問題発見力も高まっていく。

 

⑤関心の幅奥行きを深める

できるだけ多くのものに触れることで

情報の関連性が見えるようになり

ものを見る力を養う。

責任を持って見ることで真剣さが出て

より深く見ることにつながる。

 

⑥思想を持つ

適切な仮説を立てるためには

その根幹となる正しい思想が必要。

 

 

⒌ ものが見える十のヒント

①先に要点を知る

まずは重要ポイントを押さえ

その後に必要なところを調べていく。

 

②ヒントを先に得る

ガイドブックを見てから旅行の計画を立てるなど

先にヒントがあるとより深い見方ができる。

 

③分解する

全体像だけでなく、興味ある一点に注視する。

 

④情報を減らす

対象となるものを減らし見えやすくする。

 

⑤気づいたことをメモする

気づいたことはすぐに忘れるのですぐにメモする。

メモを見直すうちに事柄の関連性に気づいたりする。

 

⑥比較する

ものを単体で見ても意味がわからないが

時間的な前後による変化や、

同業内部での比較など

縦や横の比較で意味が見えることがある。

 

⑦一部を取り替える

一つだけを入れ替えると、他の部分の変化に気づくことがある。

 

⑧視点を変える

見るポイントを変えると見え方が違ってくる。

 

⑨複数で話す

複数で話すことで視点を変えることができる。

 

⑩素直になる

自分が正しいと思うと、見えるものも見えなくなる。

こだわりが無いと基準がなくなるが

こだわりすぎず、別の視点を受け入れる素直さも必要。

 

【感想・考察】

本書では「新聞」を読むことを推奨している。

関心を外に広げるため「受動的」に情報を受けるチャネルも必要だという。

 

本書が書かれた十数年前と比べ、当時以上に

テレビや新聞といった「マス・メディア」から

ネット情報に主流が移ってきている。

 

キュレーションサイトなど、自分の関心事についてのみ

情報を掘り下げていくので

「関心の対象」以外の情報をシャットアウトすることが

ある意味簡単になってきている。

 

テレビや新聞も当然偏向性があり、

「彼らが見せたいもの」しか報道していないのだろうけれど

「自分の意志で、関心のあるものを選択している」と思っているうちに、

いつの間にか選択の幅が狭まっているということもありうる。

 

「関心の幅」を広げることにより意識的にならないといけない。

たまにはネット以外の、アナログな情報を取りに行ってみよう。

 

 

ストレスを操るメンタル強化術

メンタリストDaigoさんによるメンタル強化の理論と実践の本です。

「ストレス、失敗や挫折、内向的性格は強みにできる!」として

心の弱さを感じている人を勇気づける内容です。

 

【タイトル】

ストレスを操るメンタル強化術

 

【作者】

メンタリスト DaiGo

 

【あらすじ・概要】

メンタルを強化するための理論と実践を解く。

内向的で繊細な人間が、それを強みとして活かす

ことを提言している。

 

メンタル強化の基本戦略

 

1.ストレスは軽減できる

・1日30分本を読む

静かな場所で本を読むことでストレスが低減する。

特に純文学など「心情変化」が描かれている作品を

ゆっくりと時間をかけ読むのが良い。

 

・思ったことを紙に書き出す

 エクスプレッシブ・ライティングで

感じたことを飾らずにそのまま書き出す。

 自分の感情をしっかりと認めることで

ネガティブな感情を感じづらくなる。

また、後から見直すことも効果がある。

 

・自然と親しむ

 一点に注意を向ける「方向性注意」は90分程度しか持続しない。

注意が分散しがちな自然の中にいると集中力が回復する。

 

・楽しかったことを思い出す

楽しかった記憶をできるだけ具体的に14秒間思い出す。

それだけで感情抑制の効果があることが確認されている。

 

2.ストレスは味方になる

・ストレスを活用する

「ストレスは心身に害のあるもの」という認識を

「ストレスは自分を成長させるもの」というふうに

マインドセットを変える。

ほどよいストレスを感じている人が一番満足度が高い。

逆境の意義を自覚できるマインドセットが必要。

 

・ストレスからポジティブな感情を引き出す

ストレスの役割を認めるマインドセットを持つと

ストレス反応からポジティブな感情を引き出せる。

心拍数が上がるのも「体が準備してくれている」と捉える。

 

 

・怒りを成長のエネルギーに変える

理不尽な要求をしてくる相手に対して怒りを感じたとき、

自分の中に「怒りの残量タンク」をイメージする。

これを「いつか見返してやる」ための成長の燃料であると考える。

 

3.失敗や挫折を最高の武器にする

・失敗を活かせないタイプ

失敗は成長の糧となるが、大事なのは失敗した後どうするか。

失敗を活かせないのは以下の3類型に分けられる。

①失敗しまくる人

超楽天的で失敗しても、回避したり対策を打つ必要を感じない。

②失敗できない人

超悲観的で失敗に対する恐怖心が強すぎる。

③一度失敗することで行動できなくなる人

「失敗=終わり」と考え次の行動につなげられない。

 

・自分にとっての最大のリスク

とくに上記②の失敗に恐怖を感じるタイプの人は

「自分が絶対許容できないリスクは何か」を決めることが大事。

例えば「仕事の幅を広げる」という目先のリスクを避けることが

将来的に「自分の好きなスタイルで仕事ができなくなる」という

自分が絶対に避けたいリスクの要因になるかもしれない。

最優先事項を定めれば、そのためのリスクへの恐れが減る。

 

・失敗体験の思い出し方

 失敗体験を思い出すときは感情から切り離して事実を思い出す。

過去の失敗をその時の感情から切り離し、いまの感情で再評価する。

 

4.内向的な自分の才能を開花させる

・内向的であることは才能

外向的な人間になりたいと思う人は多いが

内向的人間には多くの長所があり、

それを活用することで成長していくことができる。

 

・内向的な人間は高好反応、偏桃体、前頭葉優位

内向的な人間は外部刺激への反応性が高い。

その分、感受性が高く感性の高い傾向にあり、

知的作業やクリエイティブな活動で優れた能力を持っている。

また脳の中で偏桃体・前頭葉が優位で自己コントロール能力が高い。

 

一方外向的な人間は刺激に対して低反応で大脳辺縁系が優位。

そのため、周囲に惑わされず自分のやりたいことに集中し

リスクを恐れず活動し、成功によるドーパミンの刺激に

ダイレクトに反応するため活動的になる。

 

双方がそれぞれの強みを持っている。

 

・内向的人間だから成功できる

 ローリスクのチャレンジを重ね成果を出していく

新規開拓営業などは外向的人間が向いている。

一方、大規模な投資や人工衛星打ち上げなど

一回当たりのリスクが大きく、

多くのことを積み上げていくような事業では

内向的な人間が力を発揮する。

 

メンタル強化の基本メソッド

 

1.マインドセットを変える

・マインドセット介入

ストレスに対する感じ方を変えていくマインドセット介入は

一種のプラセボ効果だが、長期にわたり継続し

また雪だるま式に効果が逓増していく。

 

・強いストレスを3ステップでエネルギーに変える

①ストレスが自分にかかったことを認識する

②自分にとって大事なものは何なのか問いかける

③ストレスを利用して、大切なもののために何ができるか考える

 

Daigo氏の例でいうと

約束の時間を過ぎて質問するインタビュアにムッとしたとき、

①ムッとしたのはストレスによる反応であることを認識し

②「知識の最大化」の目標に背き時間を取られていることを感じ

③「場を自分で仕切り早く終わらせる」という行動につなげる。

というようなこと。

 

・ストレスを行動力に変える

まずはストレスを認識するのが大事。

ストレスがかかっていることを口に出していってみる。

 

・日記に自分が大事にしている「価値」を書く

自分が大事にしている「価値」を日記に書き

そのために自分が今日何をしたかを書く。

 

・ストレスを避けることの代償

ストレスを避けた場合の代償をイメージし、

「今、ストレスを避けることによって、より大きなストレスを引き起こす」

ことに気づく。 

例えば「いま会議で発言し余計な波風を立てる」ストレスを避けることで

「アイデアが採用されるチャンス、

自分の行動で人生を変える経験をするチャンス」を失ってしまう。

 

 

2.記録を取る

・記憶ではなく記録を活用する

失敗や挫折を活かしていくために「記録」を利用していく。

記憶は良いことや怖いことなど感情を動かした部分が残り

都合よく改変されてしまう。

記憶が残っているうちに記録することで先に活かせる。

 

・挑戦と行動記録

できる限り日々の活動と考えたことを記録にとるのが望ましい。

特に重要な挑戦をする場合は行動記録を取っておくべき。

 

・失敗体験を記録し失敗パターンを把握する

失敗体験とその解決方法をセットで記録し成功モデルとする。

また失敗の記録を集めることで、自分の失敗パターンが見え

回避策を取ることができる。

失敗を活かして成功する経験を積むと、

失敗への恐れが弱まる。

 

3.孤独な時間を守る

・成功者の共通点は「孤独な学生時代」

心理学者ミハイ・チクセントミハイの研究で、

並みはずれて創造的な人物の調査をしたところ

成功者は分野を問わず学生時代に孤独だったことが分かっている。

ただ孤立しているというのではなく、

打ち込むことがあったため極力自分の中に閉じこもったということ。

 

・自分の時間を守るための意志鍛錬

 自分にとって価値があって時間を使いたいことを5つ決める。

何かに時間を取られそうになったら即答せず、

それは「自分のやりたいことにつながるのか」を考えて決める。

相手の顔色を見るのではなく、自分の判断で決める。

 

4.コア・パーソナル・プロジェクトを見つける

・内向的人間のまま、外交的に行動する

「コア・パーソナル・プロジェクト=自分にとっての重要な事柄」

に取り組んでいるときは、内向的な人間でもその特性を超えて

振る舞うことができる。

本当に好きなことをしているときは、外向的にもなれる。

 

・セルフモニタリング能力

「セルフモニタリング能力=自分を客観的に見る能力」が高い人は

内向的であっても外向的に振る舞うことができる。

ただし無理やり外向的に振る舞うと反動が来る。

コアプロジェクトに没頭し自然に外向性が発揮できるのが望ましい。

 

・コツは「小さな変化」

いきなり大きな変化を目指すのは難しい。

小さな変化の積み重ねが必要。

一足飛びに成果を目指すのではなく、

小さなことでも目的につながる行動を取ることが重要。

 

5.瞑想でメンタル基礎力を鍛える

・前頭葉を鍛える

瞑想中は前頭葉への血流が増えることが分かっている。

前頭葉は意志力を生み出し、自己コントロールを維持する。

 

・1分から始めるシンプルな瞑想法

基本は「背筋を伸ばして、自分の呼吸を意識する」こと。

胡坐で座り、呼吸は5秒以上かけて、できれば鼻から吸い

5秒以上かけて吐く。

何も考えないのは難しいので、呼吸に意識を集中する。

 

・瞑想の効果は3時間であらわれる

累計時間が3時間になるくらいで効果が出始める。

11時間を超えたあたりで、脳と集中力をつかさどる神経の

繋がりが良くなってくる。

継続期間が2~3ヶ月になると、前頭葉の灰白質が増える。

一日10分程度でも気軽に始めて効果を実感できる。

 

・ポジティブ思考とは違う、瞑想のポジティブ効果

「ポジティブに考えよう」と努力するポジティブ思考と異なり

瞑想は「ネガティブな感情の処理能力」を高める。

 

・5つの瞑想法

①呼吸瞑想

 呼吸を数えるなど呼吸に注目する。

②歩行瞑想

 足の裏の感覚に集中して歩く。

③ボディスキャン

 順番に、指先から手首など体のパーツに集中していく。

④慈悲の瞑想

 自分と他社の幸せを願う。

 「私の願いが叶いますように、

 私の悩みや苦しみが消えますように、

 私が幸せでありますように、

 私がおだやかでありますように」と唱える。

⑤ヴィパッサナー瞑想

心の動きや考えていることを実況中継するような瞑想。

 

 ネガティブな事柄への対応力を高めたいときは

呼吸瞑想や歩行瞑想、ボディスキャンが効果的。

感情コントロールややる気を出すには慈悲の瞑想が向く。

判断力を高め、幸福感を高めたいひとはヴィパッサナー瞑想が向く。

 

【感想・考察】

 外からはどのように見えていても

自分自身を「内向的」であると捉えている人は多いのだろう。

内向的な人間に向けて書かれた本には需要があるのだと思う。

 

どんな人にも外向的な部分も内向的な部分もあるが

「どういう場面でどういう反応が出やすいか」というクセはあるので

それを認識し強みに変えていくことができればよいのだと思う。

 

 

レゾンデートル

 知念実希人さんの初期の作品で、

この作者さんの話としてはかなり重い方です。

多くの事件がうまく結びついて

グイグイと引っ張られました。

 

【タイトル】

レゾンデートル

 

【作者】

知念実希人

 

【あらすじ・概要】

医師の岬雄貴は、自身がStage4の胃がんに罹患していて

治療の見込みがないことを知る。

 

自分の死が受け入れられない雄貴だったが

絡んできたチンピラに怒りを燃やし

復讐に向けて生きる気力をとり戻す。

 

再びチンピラと対峙した雄貴はもみ合いの末、

相手を殺してしまった。

その現場を見た連続殺人犯「ジャック」は

雄貴を利用することを思いつく。

 

ジャックは「法が裁けなかった悪人」を殺す連続殺人犯で、

巧妙な手口から全く足がついていなかった。

ジャックは雄貴を操作を混乱させるための相棒として使おうとし、

雄貴はジャックとの取引に乗り、新たな殺人を犯していく。

 

雄貴は、ジャックから指示された殺人をこなした帰り道、

暴漢に襲われていた少女沙耶を助ける。

沙耶は自称写真家からペンダントを預かっていたが

このペンダントを巡り写真家と沙耶の親友が殺されていた。

 

沙耶は雄貴のアパートに住み込み共同生活を始めていく。

沙耶はペンダントに隠されたデータを見つけ

親友を殺した犯人を探ろうとする。

 

自らの殺人の意義に疑問を覚えた雄貴は

ジャックの正体を探ろうとする。

既にがんは全身を侵し、体力が落ちている中

雑誌記者から情報を得ながら徐々に真相に迫っていく。

 

【感想・考察】

章立てを「キューブラーの死の受容の5段階」に擬えている。

 

自分の死を受け入れられない「否認」の段階から、

チンピラたちへの「怒り」を生きるエネルギーとする段階へ。

 

死の現実から目を背けるため、連続殺人犯「ジャック」の誘いに乗るが

自らの行為を悔やみ、死の運命は避けられないと「抑うつ」に陥る。

 

笑って死にたいと言っていたかつての師匠の言葉を思い出し

自分を頼る沙耶を守りたいという思いから生の目的を見定め

死を「受容」する。

 

一人の人間が死を受け入れていく物語と

自分の正義をかざし殺人を楽しむジャックの物語と

「これから」 の人生に希望をとり戻していく沙耶の物語が

重層的に重なって深みのあるドラマになっている。

 

知念実希人さんの最初期の作品ということだが

非常にうまくまとまっていて素晴らしい作品だった。

 

掟上今日子の備忘録 忘却探偵

西尾維新さんの作品は初めてでしたが

癖のあるミステリでずっしり楽しめました。

ハマりそうです。

 

【タイトル】

掟上今日子の備忘録 忘却探偵シリーズ

 

【作者】

西尾維新

 

【あらすじ・概要】

1日で記憶を失ってしまう「忘却探偵」掟上今日子が

事件を解決する 全5話の短編集。

 

初めまして、今日子さん

「隠館厄介」は、事件を呼び寄せ、冤罪を受けやすい体質のせいで

中々定職に就くことができないでいた。

今回働いていた研究所でも、所長が重要データをバックアップした

SDカードが見つからなくなり、隠館たち所員に疑いがかけられていた。

 

疑われることの多い隠館は探偵の知り合いが多かった。

嫌疑を解くため「一度寝てしまうとすべて忘れてしまうので

事件を最速で解決する」という忘却探偵の 掟上今日子に

依頼した。

 

今日子は全員から話を聴き、部屋を調査してSDカードのありかを

ほぼ突き止めたが、誰かに仕組まれた睡眠薬で眠ってしまう。

掟上はそれまでの捜査内容をすべて忘れてしまい

事件の解決は遠ざかったかと思われたが。。

 

紹介します、今日子さん

出版社で働いていたときに世話になった紺藤から

隠館はとある事件について相談を受ける。

 

紺藤が担当する漫画家里井の事務所から100万円が盗まれ

「100万円を返してほしければ1億円を払え」との脅迫を受けた。

紺藤には意味が分からず、里井を止めようとするが

里井は1億円の支払いを即断してしまう。

「銀行が動き出す週明けまでに、里井を思いとどまらせてほしい」

という紺藤からの相談を受け、隠館は今日子に真相解明を依頼する。

 

お暇ですか、今日子さん

紺藤の出版社で出版を手掛けているミステリ作家「須永昼兵衛」は

「原稿を隠し編集者に探させる」というゲームを好んでおり、

今回も新作の原稿を須永の別荘で探すというイベントが催された。

 

紺藤は隠館が今日子に好意を抱いていることを見抜き

「現行探し」を口実に彼女を誘い出すことを提案する。

 

須永の大ファンであった今日子は

喜んでゲームに参加することを決めた。

しかし須永の別荘に向かう道中、

隠館は「須永が亡くなった」との連絡を受ける。

 

翌日に記憶を持ち越せない今日子に

今日一日だけでも楽しい思いをしてもらおうと考えた隠館は

紺藤たちと口裏を合わせ、

須永が死んだことを隠したまま別荘での原稿探しを始めた。

 

失礼します、今日子さん

前話で病死だと診断されていた須永が

大量の睡眠薬を飲んでおり、自殺だった可能性も出てきた。

紺藤は今日子に自殺か自然死かの判断を依頼する。

今日子は須永の心情を知るため、彼の全著作を読むことを決意する。

しかし一度眠ると記憶を保てない今日子は

100冊に及ぶ著作を眠らずに読み通さなければならない。

隠館に「眠らないよう見張る役」を頼んだうえで

過去の3日徹夜を超える長時間の捜査に着手する。

 

さようなら、今日子さん

前話で今日子を「裏切った」隠館は

もう彼女と会うことはないと考えていたが

記憶を失ったはずの今日子は

須永の著作から彼の隠した意図を読み取っていた。

 

【感想・考察】

一日しか記憶を維持できないという無茶な設定の探偵だが

ちゃんとミステリとして楽しめるのは作者の力量なのだろう。

時間が足りない分、ごく限られた情報から論理だてをする

というのもミステリの醍醐味なのだと思った。

 

また今日子に思いを寄せる隠館にとってみると

「一日で記憶をなくす」ことはやっぱり切なく

コミカルながらしっとりとした恋愛ストーリーにもなっている。

 

すぐに次回作が読みたいと思わされる作品だった。

 

当ブログは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムであ「Amazonアソシエイト・プログラム」に参加しています。