毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

他人のシュミを笑うな

 

【タイトル】

人のシュミを笑うな

 

【作者】

王木亡一朗

 

【あらすじ・概要】

少しずつリンクしている3つの連作短編集。

 

ベストスコア

女子高校生の理沙は、マウントを取りたがる響子を面倒に感じている。

ある日、一人での帰路にほっとしている理沙に、真希が声をかける。

自己承認欲求の強いが、周囲に認められない真希は

スマホゲームの「Line Pop」で響子を超えたことに自信を持つ。

 

真希との話に疲れた理沙は、乗換駅の下北沢で下車し一人歩く。

そこで「諸君の意志は抹殺されている」と街宣する男を見かける。

 

数年後、結婚して子供も授かった理沙は、

真希が市議会議員に立候補したと聞く。

 

アホの坂田

高校卒業後、専門学校に通いながら役者・脚本家を目指す時田。

下北沢のレンタルビデオでバイトをし、

ベテランの中松さんや、自らを「活動家」という金城さんと親しくなる。

 

時田は専門学校を卒業し、脚本家として活動し始めた頃、

中松は見合いのため新潟の実家に戻っていた。

 

 

明子先生の結婚

比嘉澤は独りで食べている人を見ると、切なくなるが

高校生の時の明子先生は例外で、

一人でも嬉しそうに食べているのが好きだった。

 

しかし明子先生は、社会科の授業で見せた

戦争映画にクレームを受ける。

比嘉澤は友人の時田と一緒に、

根拠のないクレームだと抗議するが

最終的には明子先生は他校へ転勤してしまった。

 

 数年後、比嘉澤は時田が脚本を書いた演劇を観に

東京まで出向く。

そこで久しぶりに明子先生を見かける。

 

【感想・考察】

最初の「ベストスコア」は、

切れ目なくダラダラと続く文章が

若いころ、クルクル回っていた頭の中のような

ドライブ感で心地よい。

 

すぐ隣にいる人でも、心が通じ合うわけではなく

それぞれが自分の価値観に応じて、大切なものを持っている。

自分の視点からは「意味の分からない飛躍」でも

相手の内面では繋がった意味があり、

そしてそれはお互い様なのだろう。

そう思うと「他人のシュミ」を笑うことはできない。

 

 

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