たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく
鳥原 隆志
インバスケットの考え方に基づいた仕事の仕方。
5秒間立ち止まって考えることで、ポイントのズレをなくす。
なにをするか、よりも何を捨てるかが大事。
以下のような短いセッションが複数つながる構成で
あっさりと読みやすい。
1 優先順位を付ける力
それを先にすることが最善なのか考える
2 問題発見力
それで問題が解決するのか考える
3 思いやりの力
相手の立場に立って考える
4 自己分析力
相手の指摘を真摯に受け止める
5 確認する力
それで大丈夫なのか、確認する
6 創造力
より効率的な方法を思いつくことはできないか
7 洞察力
次を予測して動く
8 当事者意識をもつ力
相手が求めることを考えて行動する
9 対策立案力
他に手はないか、諦めずに結果を出す
10 組織活用力
誰に聞けば良いか、アドバイザーをもつ
11 段取り計画
自分がいなくても仕事を止めずに回すことを考える
12 課題形成力
真の原因は何かを突き詰める
13 目標設定力
ゴールを設定し、ゴールへ向かう道を考え、実行し続ける
14 リセット力
ゼロベースで考え直すことを厭わない
15 逆算力
最終的に求めるものから逆算して、今すべきことを考える
自分が動かなくても仕事が回るように段取りを考えるところから、
実践してみようと思った。
[映]アムリタ
野崎 まど
ラノベっぽい雰囲気だが、ミステリとしての構成が素晴らしい。
映画に込められた力は非現実的だが、ストーリーとしてぐいぐいと引き込まれる。
この作者は know の時もそうだったが、天才 を描くのがずば抜けて上手い。
絵コンテを読みながら思考が暴走していくシーンは文字だけの表現と思えないほどの立体感がある。 know でダンスしながら銃弾を避けるシーンと同じ美しさを感じた。
最原は最後に都合の悪い記憶を消したのではなく、元の主人公の人格に戻したのだと解釈した。初恋の再現と別れを描いたラブストーリーとしても読めるのかもしれない。
すばらしいストーリーだった。
そうだったのか! 現代史
池上 彰
現代史の中で重要なトピックスについて、作者の見解を含め簡単に説明した本。
説明の仕方が本当に分かりやすく、すっきりと頭に入ってくる。
この説明の上手さは天才的だと思う。
時代を追った順番ではなく、
湾岸戦争、冷戦の始まり、東西ドイツの分断、スターリン、中国と台湾の対立
朝鮮戦争、イスラエルの誕生、キューバ危機、文化大革命、ベトナム戦争、
カンボジアのポル・ポト、ソ連の崩壊、ベルリンの壁の崩壊、天安門事件、
為替変動制度への移行、石油危機、ヨーロッパの統合、ユーゴスラビアの内戦
など、概要は知っていても詳細を知らない出来事を極めて分かりやすく説明している。
現代史の基礎として読んでおくべき本。
働く君に伝えたい「お金」の教養 人生を変える5つの特別講義
出口 治明
生命保険会社CEOの立場から、20代を対象とした、お金との向き合い方を説いた本。
お金について「知る」という講義では
今は悪い恵まれない時代だ、というのは不安を煽るポジショントークだという面もあることを教える。
国の年金制度が信頼できないから、民間金融機関で個人で資産管理しましょう、と言われても、少なくても日本国内に限れば国家が破綻しても維持できるような民間金融機関などないのだから、セールストークに乗せられてはいけないという論調。
お金の「使い方」の講義では
”財産三分法”を提案。
①財布(日常使うお金)
②投資(なくなってもいい範囲で、自己投資、金融的な投資を行う)
③貯蓄(流動性の高い貯蓄で①を補充する)
お金は使ってこそ価値があるものというこを強調。
お金の「貯め方」の講義では
将来に対する過剰な不安から、今の生活を犠牲にすることには反対しつつ
貯蓄型の生命保険が高度成長期を終えた日本では不利であることなどを説明。
「殖やし方」の講義では
短期の勝負ではプロに勝てることはないので、長期で考えることが大事ということ。
その中でも、特に若い人は自分の生涯収入をどう増やすかを考え、自己投資をすることが最大の利回りを生むと強調。金融的な手段で資産を2倍、3倍にするのは運が必要だが、自分の能力向上は確実に収入向上に結びつく。
最後の「稼ぎ方」の講義では
お金のストックを貯めることに汲々とするよりも、いかにフローを増やしていくか
生涯にわたって稼ぎ続ける能力を持ち続けるかが大事ということを力説。
お金を稼ぐ能力を持つということは、自由であるということだ。
お金に対する漠然とした不安に向かい合うには良い内容だった。
新装版 企業参謀 戦略思考とは何か
大前 研一
40年ほど前に出された、企業経営における戦略思考についての本。
取り上げられているケースはテレビやファックスなど時代を感じさせられるものが多いが、戦略的思考についての考察は今見ても非常に新鮮。
問題を考える時、ISSUE TREEを展開し、複雑な課題を分析可能な個別の変数に落とし込む。
PPM(Product Portofolio Management) で自社の強み、収益性や市場の状況を見ながら
プロダクトミックスで相乗的な効果を上げていくこと。
KFS(Key Factor for Success)を捉え、そこに集中していくこと。
多くの具体的ケースが説明されており、具体的に捉えやすい。
古い本ではあっても良書だと思う。