Kennie の読書録

毎日1冊本を読み、記録を残したいと思います。

目撃証言

【作者】

 西村健

 

【あらすじ・概要】

 昭和の三池炭鉱で起きた傷害致死事件を倒叙形式で語る短編ミステリー。

 三池炭鉱で働く労働者 十時が語り手となる。新任の警察官が15年近く前に起きた死亡事件を追求する。

 当時は大規模なストライキに対し会社が揺さぶりをかけ、労働組合が分裂していた。「裏切られた」と感じた十時たちが属する「旧労働組合」は、分裂した「新労働組合」のメンバーを恨んでいた。そんな中 十時は「裏切った」同僚を突き飛ばし結果的に殺してしまったが、当時は徹底した調査もされずまもなく15年の時効を迎えるところだった。

 

【感想・考察】

 昭和中期の「炭鉱」で生活売る人たちの雰囲気が生々しく伝わってくる。現代の視点からは「危険と隣り合わせで、劣悪な環境での労働を余儀なくされている」ように見えるが、その場にいた人々はどのように感じて生きていたのだろうか。現代の労働者を数十年後の人々が見たら、どのように映るのだろう。

 倒叙形式ミステリの追いつめられる感覚も面白かったが、背景として描かれる「炭鉱」の世界観に興味を持った。