一流の記憶術 ーあなたの頭が劇的に良くなり「天才への扉」がひらく
六波羅 穣
物事を記憶する方法を述べた本。
短い本だが、内容は濃かった。
記憶を活用するには、銘記、保持、想起の3ステップを確実に行わなければならない。著者は下記の3点が重要だとしている。
①対象に注意を向け、情報を短期記憶に入れる
②想起練習を繰り返し、情報を長期記憶に入れる
③記憶対象を手がかりと結びつける
まずは対象を意識していなければ、見えていても聞こえていても短期記憶にも残らず、何も始まらない。全てを記憶する必要はないが記憶する必要があることを選択し注意することが始まり。
ついで、短期記憶に残った情報を長期記憶に残すことが必要。エヴィングハウスの忘却曲線の話もあったが、1時間後に覚えていることは1日後も覚えているし、1週間後に覚えていることは1ヶ月後にも覚えている。保持の期間が長くなればなるほど、忘れる可能性は低くなる。
長期記憶へ定着させるには、”繰り返し” ”想起する” 訓練が必要。メモを何回も読んだり、唱えたりするのも効果はあるが、意志を持って思い出そうとして思い出すことがもっとも有効。
そのあとで定着した記憶を手がかりと結びつけて引き出す技術が必要。
特に記憶しにくい事柄を覚えるために、幾つかの記憶術を紹介していたが、その中でも汎用性が高そうなものは以下の3つ。
・頭文字法
記憶すべき事柄の頭文字を並べて記憶する。
あまり対象項目が多いと難しいが、簡単に導入できる。
・物語法
記憶すべき情報のイメージを一繋ぎの物語として記憶する方法。
物語を考える手間はあるが、記憶しやすく想起しやすい。
・場所法
Sharlockに出てきた Mind Palace。場所をペグとして情報を結びつける。
高度だが習得してみたい。
情報はネットでなんでも検索できる時代だが、自分の中に記憶を保持しておく能力がないと、溢れる情報から価値ある意味を取り出すことはできないのだろうと思う。