『僕は僕の書いた小説を知らない』 喜友名トト
前向性健忘となり、2年前の事故以降の記憶が保てなくなった小説家アキラのお話です。
アキラは、パソコンに「引継ぎ」記録を残し、妹や友人の力を借りて生活する。
周囲の人たちが前に進む中、自分だけが「何も積上げられない」ことを怖れ、少しずつ小説を書き重ねていた。
アキラはカフェ店員の翼と出会い、毎日リセットしながらも、ゆっくり着実に関係を深めていく。
担当編集との話で「あなたはきっと2回読む」とか「衝撃のラスト4ページ」とか、叙述トリックを匂わせてきます。
まあ、警戒しながら読んだのですが、ラストでは「驚く」よりも「泣かされ」ました。
アキラの「泥臭くても諦めず闘う姿勢」と、翼の「器の大きな愛情」が素晴らしい。
「あなたもきっと2回読みます」
リンク先にあらすじと感想を上げました。