『一番線に謎が到着します 若き鉄道員・夏目壮太の日常』 二宮敦人
蛍川鉄道で働く鉄道員たちと、就職活動中の大学生の物語が重なっていきます。
二宮敦人さんの「お仕事ミステリ」は大好きです。
病院を舞台にした『最後の医者は桜を見上げて想う』シリーズなどは涙なくして読めない傑作です。
けれども、作者はもっと「地味」な仕事にも脚光を当てています。
本書のような鉄道員だとか、『花木瞳子』シリーズの郵便局員だとか、「昨日と同じ今日が当たり前のように来る」ために、地道に真摯に取り組む姿勢を描いています。
感動を生むドラマだとか、緊迫感のあるミステリ・サスペンス要素を組み込んで、楽しく読ませるけれど、根底には「地味な仕事を真摯にこなす人たちへの敬意」が感じられます。
リンク先にあらすじと感想を上げました。