『綾志別町役場妖怪課 暗闇コサックダンス』 青柳 碧人
『朧月市役所妖怪課』シリーズの続編です。
舞台を朧月市から、北海道綾志別町に変え、主人公の宵原秀也が活躍します。
朧月市が「日本中の妖怪を集め隔離した場所」だったのに対し、綾志別町は「ロシアにいた妖怪を受け入れて隔離した町」という設定です。
青柳さんが描く妖怪は、日本古来の妖怪もロシア妖怪でも、恐ろしさの中にも親しみやすさが感じられます。緊迫したサスペンスの展開でも、どこか温かさを感じる。逆にどこか抜けた親しみやすい妖怪も、一線を超えると冷徹な恐ろしさを見せたりもする。
間取りを変える妖怪や、コンクリートを変形させる妖怪がいる世界で「密室トリック」は成り立たないし、重点はミステリからファンタジーに移っていますが、この雰囲気は、まったり楽しむのに良い感じです。
リンク先にあらすじと感想を上げました。