毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

まいなす

「タイムマシンも使わず、タイムトリップもせずに

過去を変える方法はあるか?」

 

「未来を見てきた」という少年の予言で混乱する中、

主人公の舞は 伯父が遺した言葉を胸に

事件の真相を推理していきます。

 

女子中学生の心情が丁寧に描かれ、

重たいけれど清々しい話ですね。

 

 

【タイトル】

まいなす

 

【作者】

太田 忠司

 

【あらすじ・概要】

飛魚中学に通う 那須舞(なす・まい) は「まいなす」

というあだ名を嫌っていたが誰にも言えないでいた。

万事に関心の薄い母親や、ずれている父親に苛立ち、

毎日ぬいぐるみの「ヌー」に愚痴っている。

 

ある日、舞はクラスメートの津坂茅香に頼み込まれ

時を超えてきた人の伝説がある「時渡りの祠」に行く。

そこで、中学の上級生 立岡純生 が倒れているのを見つけ

舞と茅香 は救急車を呼び彼を助けた。

 

立岡は「橋が崩壊する未来を見てきた」といい

その橋を実際に調査すると内部で老朽化が進み

いつ倒壊してもおかしくない状況だったことが判明する。

また彼は「飛魚中学の女子学生が刺殺される」という

新聞記事も見てきたと口にする。

 

飛魚中学の生徒たちは怯えていたが

学校は問題を大きくしないことに終始し

生徒たちを守り、心をケアする動きは全くなかった。

そんな中、立岡のガールフレンドが

背中を切りつけられる事態となり

生徒や父兄の動揺はピークに達する。

 

舞は病気で入院している伯父の与市に

事件のあらましを伝え、

与市は舞に解釈のヒントを与える。

 

 

【感想・考察】

 

舞の瑞々しい感性と、真っ直ぐすぎる正義感、

その純粋さ故の傷つきやすさが、やたらと重たいが、

その中でも少しずつ成長を見せる姿に心打たれる。

 

事件そのものは、精密なトリックも

巧妙な伏線もないシンプルなものだが

舞の心情描写は細やかで深い。

ミステリよりも少女の成長物語としてよい話だった。 

 

当ブログは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムであ「Amazonアソシエイト・プログラム」に参加しています。