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ビジネスマンのための「数字力」養成講座 これで、もっともっと見えてくる ビジネスマンのための力養成講座シリーズ

経営コンサルタントの小宮氏による

「数字」を読む力を養成する本。

 

 

【タイトル】

ビジネスマンのための「数字力」養成講座 これで、もっともっと見えてくる ビジネスマンのための力養成講座シリーズ

 

【作者】

小宮一慶

 

【あらすじ・概要】

 

数字力とは

1. 把握力 :全体を把握する力

2. 具体化力:物事を具体的に考える力

    これは発想力につながる

3. 目標達成力 : 目標を達成する力

 

できるかぎり具体化し、数値化して分析する。

現状を具体的に把握できれば、

具体的な目標が見え、具体的な対策が取れる。

 

数字を把握し、

現状を客観的に把握し

数字ごとの関連を知り、

具体化された目標からプロセスを逆算し

具体案を立てる。

 

数字の味方の7つの基本

1. 全体の数字をつかむ

「割合」の感覚が大事。

社会保険庁の年金データ入力漏れが

5000万件あったことが大きなニュースとなったが

全体で240億件あるデータの 0.2% だと考えると

「社会保険庁を解体せよ!」というほどの問題なのか

判断が異なってくると思う。

 その数字が全体の中でどの程度の重要性を持つのか

意識する必要がある。

 

2. 大きな数字を間違わない

小さな数字にとらわれて大きな数字を間違わない。

著者が銀行で為替のポジション管理をしていた時

8割を占めるUSドルに集中するようにすると仕事の精度が上がった。

桁を間違わない、大づかみで覚える方が実際に役に立つ。

 

3. ビッグフィギアを見る

個別の数字についても、大きなくらいの数を間違えない。

千円単位の数字を計算するより、上位数桁を把握することが大事。

 

4. 重要な小さな数字にはこだわる

「一人当たり付加価値額」などは数円の違いでも

数千人の従業員がいる企業であれば

年額で数億円の違いになってくる。

キーになる数字は小さくても重要なものもある。

 

5. 定義を正確に知る

日経平均株価とは何か(225社だけの平均)だとか

売上原価と製造原価はどう違うか(売上原価は売れた分の原価)など

数字の定義を把握していないと、誤った分析をしてしまう。

 

6. 時系列で見る

数字は単体では意味を持たない。

前年との比較などで時系列で見ることで

成長しているのか停滞しているのか、など

数字から意味を見出すことができる。

 

7. 他と比較する

時系列による縦の比較だけでなく、

他社や他国など横の比較でも

優位にあるのか劣勢にあるのかなど

意味を見出すことができる。

 

数字力を阻害する6つの罠

1. 主観の罠

人間の判断には主観のバイアスがかかる。

1億円のロレックスを見た後では

200万円のロレックスを安く感じる。

缶ジュースが80円なら安いと感じるが

10円だと不安に感じる。

経験・見識を広げて数字感覚を養うことが大事。

 

2. 見え方の罠

業績発表で全ての製品の目標達成率を並べて説明するが

実際には主要製品の売上は不調だった場合など

見せ方によって印象が変わる。

全体の中でのインパクトを客観的に考えることが必要。

また「バイアスがかかっている」ことを認識することが必要。

 

3. 常識の罠

病院で感じられる不満のトップは「待ち時間の長さ」だが

全体の満足度との相関が最も高いのは

「医師や看護師に対する信頼」だった。

待ち時間に関する不満が多いという感覚だけでなく

常識を疑った仮説を立てることも必要。

 

4. 統計の罠

平均値は見誤る。偏差も見なければ意味を見誤る。

個別の数字を見ることが必要なこともある。

また、とくに企業経営について将来値は

悲観的にでる傾向があることを知っておく必要がある。

 

5. 名前の罠

「現金給与総額」は国全体の総額ではなく一人当たりの給与額。

製造原価は経費ではなく資産。

言葉の印象だけではなく、正確な定義を把握する必要がある。

 

6. 思い込みの罠

新聞は夕刊の一面が1版で、朝刊は13版から始まるなど、

思っているのとは違う数字の並びもありうる。

 

数字力を高める5つの習慣

1. 主な数字を覚える

日本のGDP、世界の人口、日本の一般会計予算など

重要な数字は把握しておくべき。

推論するための前提となる。

 

2. 定点観測をする

決まった時に数字を見ることでトレンドを知ることができる。

定点観測は、自分なりの「基準」を持つことにもつながる。

 

3. 部分から全体を推測する

一部の企業の業績から全体を推測するなど

数字の予測をする。

例えば、好景気が最後に波及する建築業界が好調であれば

景気の衰退局面に入り始めている可能性があるなど。

自分なりの仮説を立て、将来を予測する練習を重ね

精度を上げていく。

 

4. 数字を関連づけながら読む

いくつかの数字の関連性を意識して世の中を読む。

マクロ経済でも、企業の業績でも

数字から仮説を立てストーリーを作る。

 

5. 常に数字で考える

「高い・安い」や「良い・悪い」という言葉を

「いくら高いのか」、「何%悪化したのか」など

数字と結びつけて考える習慣を持つ。

 

 

【感想・考察】

フェルミ推定など、分からないことを理論の積み重ねで

推定していく能力も大事だが、

重要な数字を記憶しておくことで

推定の精度を上げることができる。

 

ビジネスの世界では、数字に興味を持ち、

具体的なレベルで語れることが大事なのだろう。

 

本書の情報は少し古いので

主要国のGDPや人口、主要業界の市場規模など

最新の情報を見直してみよう。

 

 

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