毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

翻訳地獄へようこそ

プロの翻訳家による

翻訳のコツや気を付けるべきポイント集です。

 

外国の小説などは翻訳者によって

読みやすさが段違いなのは間違いないです。

「プロの翻訳家はここまで考えているんだな」

という驚きと、

「プロでもこういう間違いはあるんだな」

という気づきがあります。

 

原文で読むのが一番だとは思うけれど

ある程度知識がないと難しいですね。

 

【タイトル】

翻訳地獄へようこそ

 

【作者】

宮脇 孝雄

 

【あらすじ・概要】

 

・誤訳の多くは名詞の意味の取り間違い

 たとえば 「Bar」 は酒場のBarであったり、

酒場の中のカウンター席を表したり

場合によっては 金塊のバーだったりする。

文脈から名詞の正確な意味を汲み取るのが大事。

 

・慣用句は地雷

慣用句を知らないと誤訳を犯しやすい。

慣用句辞典などを通読することで

「慣用句に対する語感」を身に付けるのが良い。 

 

・修飾対象により形容詞は意味を変える

 例えば 「Graceful」 は人を形容するときは

「優雅な」となるし、

行動を形容するときは「潔い」となることが多い。

ときには辞書で確認するようにする。

 

・Cityの意味

 イギリスの場合「市」という行政区はない。

「City of London」 はロンドン内部の「シティ地区」となる。

元々はBishop の在任地に許された呼称だった。

いまでも City地区には Bishopのいる大聖堂(Cathedral)がある。

 

・Nurse の使われ方

 日本語でナースというと看護師を指すが

英語圏で「Nurse」は保母や子守、家庭教師なども含まれる。

 

・分詞構文の訳し方

 分詞構文は文語的な表現で、一般には使われない。

敢えて使うのは文語的な重みを出そうとしているので

訳文も対応させる必要がある。

 

・語順に従って訳す

 原文の構造にこだわるより、

語順にこだわり訳す方が

文脈が伝わりやすい。 

 

【感想・考察】

特に小説などは、使われている単語は分かっても

文意を掴みにくいことが多い。

 

慣用表現や独特な語法についての知識がないと

ニュアンスが伝わってこない。

文学作品などはニュアンスが大事だし

ミステリでも、大事な伏線はさりげなく書かれる。

ニュアンスを読み取れないと面白さが届かない。 

映画をみていて聞き取れても意味がつかめないのは

 やっぱりつまらない。

 

仕事で英語を使っていても文学表現とは違う。

英語の小説などももう少し読むようにしよう。

 

 

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