毎日一冊! Kennie の読書日記

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ぼくらの七日間戦争 「ぼくら」シリーズ

 「少年・少女たちが自由を求める闘いを、コミカルに描いた作品」です。

この作品を読んで「大人も辛いのだよ。。」と、視点が大人側になってしまう自分に寂しさを感じます。

 

 

【作者】

宗田理

 

【あらすじ・概要】

1985年頃の中学生たちが主人公。

夏休み前の終業式の日、1年2組の男子生徒ほぼ全員が

廃工場を「解放区」として立てこもる。

ミニFM放送を使って決起宣言で大人たちに宣戦布告する。

 

女子生徒たちと、体調不良で残った男子生徒は

解放区の外側から支援していく。

 

大人たちは、怒り慌てて生徒たちを引きずり出そうとするが

体面を気にして強行突破はできず、懐柔も通じない。

 

「解放区」の内側には、戦争で生き残ったホームレスの老人がいて

マンホールを使った外界との抜け道を教える。

 

同じ時期、誘拐されてしまった少年を女子生徒たちの力を借りて助け出し、

誘拐犯も解放区に招き入れる。

 

生徒たちは結束を強め、切り崩しを図る大人たちを翻弄していく。

 

 

【感想・考察】

「全共闘世代の子供」たちの蜂起を、

親たちがノスタルジアを持って見るという描写がある。

 

ただ、中学生の戦いは「全共闘」ほど明確な政治的意図はない。

暴力教師や、過干渉な親など、不誠実な大人を憎み、

子供を社会の枠に押し込めようとする教育に対して、

漠然とした憤りを感じている。

 

大人視線からは、ずいぶん幼い「理由なき反抗」に見えるが、

この年代が感じる社会への反感や、仲間との共闘による充足感は

かつて自分にも確かにあったと思い出せる。

 

夜の校舎の窓ガラスを割るような「理由なき憤り」を

もう一度感じることはできるのだろうか。

 

 

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