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ランチェスター思考

   マーケティング理論を学んだり、コンサルタントの話を聞いたりすると、納得はしつつもどこか表層を上滑るような印象を受けます。でも本書は「地に足がついた」感じを受けました。

 

 

【作者】

  福田秀人

 

 

【あらすじ・概要】

   第一次世界大戦での戦闘を分析したランチェスターの法則を、マーケットに適用し、負けずに生き残る持続可能な戦略を編み出した。

 

・ランチェスター法則

  ① 一次法則(一騎打ちの法則)

     1対1の一騎打ちの場合、戦闘力は兵力に比例する。

  ② 二次法則(集団戦闘の法則)

     相互に無差別に攻撃する戦闘の場合、戦闘力は兵力の二乗に比例する。

 

・ランチェスターの戦略

   ① 弱者の戦略

       強者との正面戦闘を避け、局地戦・接近戦を挑む。

   ② 強者の法則

       弱者との接近戦を避け、間接的・遠隔的な確率戦を挑む。

 

・市場占拠率の目標数値モデル

   ① 上限目標 74% : 絶対的な独走。

   ② 安定目標 42% : 安定的な強者の位置。

   ③ 下限目標 26% : 弱者と強者の境目。

   ④ 上位目標 19% : 弱者の中の相対的強者。

   ⑤ 影響目標 11% : 存在がマーケットに影響を与える。

   ⑥ 存在目標   7% : 存在が競合に認識される。

   ⑦ 拠点目標   3% : 存在は無視されるが、なんとか生存できる。

 

・占拠率の有効射程距離モデル

   ① 弱者の戦略でも、マーケットシェアが3倍以上の相手には勝てない。

   ② 強者の戦略では、マーケットシェアが1.7倍以上の相手には勝てない。

 

以上の法則、モデルから導き出した具体的な戦い方として、

 

・自分のマーケットでの位置を冷静に分析する。

・有効射程距離モデルを意識し、無謀な戦いはしない。

・一気に伸ばすのではなく、現状より一つ上の市場シェアを目指す。

・地域や商品などで市場を細分化し、勝てるポイントに集中する。

・一定期間特定市場に集中し、そこでのシェアを拡大する。

・計画通りに戦うのではなく、状況の変化に応じ柔軟に行動する。

・PDCAではなく OODA( Observe − Orient − Decide − Act)。

    状況を観察し、変化を予想し、予想に基づいて立案し、実行する。

 

 

【感想・考察】

  様々な角度から解説されているが、ポイントはシンプル。

  「強者に勝つには敵を分断、自己戦力を集中し、各個撃破で陣地を広げていく」ということだろう。

   幅広く応用できる理論だと思う。

 

 

【オススメ度】

   ★★★☆☆

 

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