毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

雪国

 

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という冒頭が有名な作品ですが、初めて読みました。

雪国の情景の重苦しさと美しさ、男の目を通して映る女の愛の純粋さと危うさが、淡々と描かれています。

なんだか胸が苦しくなるような作品です。

 

 

【作者】

  川端康成

 

 

【あらすじ・概要】

  親の資産で暮らす島村は、列車で雪国に向かい、以前親しくなった芸者の駒子に会いにいく。

道中では、病身の青年を甲斐甲斐しく介護する葉子という娘の姿を見て心を奪われる。

  島村が何度か雪国を訪れるうち、駒子は宴席の合間にも会いに来るほど彼に惹かれていくが、

いつかは自分の元を離れて行くことを考える。

 

  葉子が介護していた青年は、駒子の三味線師匠の息子で、かつては駒子とも親しい間柄であった。

島村が帰京する日、青年の容態が急変し葉子は駒子を呼びにきたが、駒子は頑として戻らず島村を見送る。

 

  その次には島村は長逗留をする。葉子と言葉を交わし、東京に連れていって欲しいと言われる。

その後、映画上映をしていた繭蔵で葉子は火災にあい、意識を失って階上から雪の上に落ちる。

 

 

【感想・考察】

  ストーリー自体に複雑さはなく、淡々していて、情景や心情の描写が絵的で美しい。

車窓に映る葉子と背後に透ける雪景色のコントラスト。

夏の終わりの蜻蛉たちの醸し出す悲壮感。

キリリと冷え切った夜空に降り立ってくるような星空。

少し暗くて重い雪国の中で、時折鮮やかに浮かびたつ情景が描かれている。

 

 駒子の献身的な愛も、時に明るく時に鬱屈して息苦しく見える。

身勝手だが繊細な島村の目線で描写されていることで、猶更やり切れなさを感じた。

 

 

【オススメ度】

   ★

 

 

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