毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

ラプラスの魔女

 ベテランのベストセラー作家、東野圭吾氏の作品だけあって安定して面白いです。 新しい能力を持つ女性ヒロイン円華にも魅力があり、シリーズ化を予感させます。

 

【作者】

 東野圭吾  

 

【あらすじ・概要】

 映像クリエイターの水城が、温泉近くの山道で硫化水素中毒で死亡した。その数か月後には、別の温泉地でも売れない俳優の那須野も硫化水素中毒で死亡した。

 調査を依頼された大学教授の青江は、噴出した硫化水素が一時的に高濃度となったことによる事故だと、腑に落ちないながらも結論付けえる。しかし青江が両方の現場で会った円華の話を聞き、二つの事故をを調べるうち、同じく硫化水素による中毒で妻と娘を無くした映画監督の甘粕の存在に辿り着く。

 青江は円華と行動するうちに彼女の持つ驚異的な「未来予測」の能力に気づく。彼女は何者なのか。事件の背後には何があるのか。

 

【感想・考察】

 登場人物はかなり多く、場面・視点が頻繁に切り替えられるが、とても分かりやすい。登場人物の書き分けが上手でないとこうはいかないのだろう。熟練のベストセラー作家だけあって文章力には圧倒される。

 ドラマチックな山場の作り方とか、主人公たちの苦悩などに引き込まれ、あっという間に読み終わった。事件の全体像は中盤くらいには見えてしまうが、それでも飽きさせることなく引き込む力を感じる。

 ただ「秘密」など初期の作品と比べると、最近の作品では登場人物たちが「擦れた」感じで、「一途な生き方に共感する」ような感動はなくなってしまっているのは残念だ。

 

 本の内容とは直接関係ないが、東野圭吾氏の本が電子書籍化されないのには困っている。海外在住だと紙の書籍を入手する機会は限られていて、読みたいときに読むことができないのは残念だ。

 違法コピーの問題や版権など、課題がたくさんあることは理解できるが、作者・読者双方にとってメリットのある解決ができるよう、Amazonなどのプラットフォーマーに期待したい。

 

【オススメ度】

 ★★★☆☆

 

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