詐欺師・ひっかけ商法の最新手口を公開! 騙しのカラクリ
詐欺の手法を小説仕立てで解説していく本です。こういう話を読むと「自分は絶対に引っかからないな」と感じてしまうのですが、そういう人がむしろ危ないのでしょうか。。
【作者】
横田濱夫
【あらすじ・概要】
詐欺の手口を、ストーリーに乗せて解説し注意すべきポイントを挙げる。
①子役タレント商法
スクール受講に来た母親に「子供の才能に投資しないともったいない」として、高額なレッスン費用や宣材作成費を請求する詐欺。
・親の夢を子供に押し付けない
・申し込み前にレッスンなどを見学させてもらう
・「けなして褒める」は人心操作の基本
・やたらに有名人との繋がりをにおわす人は雑魚
②老人介護
老人介護ヘルパーの勤務スケジュール等の情報を集め、ヘルパーが訪問しない日に、代理として訪れ信用させ金品を奪う手口。
・老人の一人暮らしの場合、身内ができるだけ頻繁に顔を出す
・一人暮らしと悟られない工夫をする
・郵便物から情報が漏れるので管理を徹底する
・表札のマーキングに注意
③サプリメント
性力強壮サプリメントを購入した男性に、男女が集う会員制クラブを紹介すると言い、多数まとめ買いさせた詐欺の手口。
・デート商法、キャバクラ、ホストクラブ等、異性と金が関わることろは危険。
・途中で間違いに気づいたら、そこまでのサンクコストは諦める
・実際に商品を受け渡さない取引は怪しい
④シックハウス
築数年の家を訪れ、有害物質の無料測定で問題を発見し、高額な有害物質除去工事の契約を結ばせる詐欺。
・見ず知らずに人を家に上げない
・民間企業が「無料で点検」するのは商売に結び付けるため
・即断せず、複数の業者から見積りを取る
・契約を急がせる業者はまず詐欺
・「見本として使うので値引きする」のは合理的な値引きでお得感を出すだけ
・支払いに信販会社をかませるのは解約のしにくさを増すため
・商談の現場で会社に電話するのはインチキ臭い
・クーリングオフの活用
⑤偽NPO
海外支援NPOから「NPOからの海外送金には課税されるため、個人口座を使わせてほしい」という電話があり、口座の預金を一部送金させられる手口。
・半端な金融知識はかえって危ない
・まっとうな団体が見ず知らずの人に支援を求めることはありえない
・電話、メールなどのやり取りだけでお金を振り込まない
・サービス提供側が先にお金を払うのはおかしい
⑥ネットワーク商法
ガンなどにも効果があるとして高額なジュースを売る、ねずみ講的なネットワークビジネス。違法とは言えないがグレー。
・常識を超える値段設定は疑ってかかる
・商品の効能を本気で信じている「信者」が怖い
・肉親が病気の時など理性を失いがち
⑦自己啓発セミナー
地方出身の大学生を狙う自己啓発セミナーの勧誘手口。
・大学の敷地内には大学生以外の人もほぼ自由に出入りしている
・クレジットカード作成の強制は怪しい
・地方出身者は県人会に顔を出すなどするのもよい
⑧別荘地
管理が面倒になったリゾート物件を高額で売ると申し出て、広告費用などをだまし取る手口。
・地価が全般的に下がっているとき、自分の土地だけが高いことはあり得ない
・新聞広告などの小道具に引っかからない
・不動産の場合、まず相場を確認する
・売主が先にお金を払う関係はあり得ない
・セールスマンの不退去は警察に電話しても構わない
⑨日本語教師養成講座
日本語教師の養成スクールだが、日本語学校の実体がなく、修了後に働き口がないという詐欺。
・実際に使える資格は多くない
・学費などは一括で払わない
【感想・考察】
「最近の詐欺の手口」とあるが15年以上前の出版なので内容は古い。「新聞などの印刷物で信用させる」とか「捨てホームページを作って信頼させる」とか、最近の人のメディアリテラシーからすればありえない。
一方で人の心理に関する部分「落として褒める」とか「期限を切って焦らせる」などは、今でも変わらない部分なのだろう。
【オススメ度】
★☆☆☆☆