最後の授業 ぼくの命があるうちに
タイトルを見て「泣かせに来る」ことを期待していたのですが、スーパーポジティブな勢いで「どうやって夢をかなえてきたか」、「どう生きて欲しいか」を伝えるものでした。世の中に成果を残すような人は、死期を悟ってからもバイタリティーが高いことに驚かされます。
【作者】
ランディ・パウシュ、ジェフリー・ザスロー
【あらすじ・概要】
カーネギーメロン大学の教授で、VRの権威として活躍したランディ・パウシュが、すい臓がんにより47歳で亡くなる前に、学生や自分を導いてくれた人たち、そして、妻と3人の子供たちに送ったメッセージ。
自分が幼いころに思い描いた夢が全てかなった人生を振り返り、自分の子供や学生たちに夢をかなえる方法を伝える。いろいろあるが、印象に残った項目を挙げる。
・煉瓦の壁はあなたの夢を邪魔するものではなく、あなたの真剣さを証明するもの
困難を前にしても、その捉え方を買えれば挑戦する意欲がわいてくる。
・自尊心は与えるものではない、自分で築くもの
「できていることをほめて伸ばす」だけではなく「できないことを、できるまで必死にやらせる」「それを何度も繰り返す」。君にはもっとできる。
・何を言ったかではなく、何をやったかに注目する
女性が言い寄ってくる男性を判断するときは「彼の言うことをすべて無視し、行動だけを見る」のが良いらしい。
・とにかく頼んでみる
願いを口にする前からあきらめてはいけない。意外と簡単にかなうかもしれない。
【感想・考察】
元来パワフルな人なのだと思うが、命が長くないことを知ってから「やりたいことをやりつくす」ことに圧倒的な熱量で取り組んでいる。
自分の人生を受け入れることができるのは、自分が主体的に生きてきたという実感があるからなのだろうか。
過剰なポジティブさには息苦しさを感じるくらいだが、その強さには敬意を払わざるを得ない。