超一流の雑談力「超・実践編」
【作者】
安田正
【あらすじ・概要】
前作「超一流の雑談力」の続編でさらに具体的な内容になっている。
主な内容は以下の通り。
・会話が噛み合わない時はテンポを合わせる
一文を短く、リズミカルにするだけでなく、相手のリズムに合わせスピードを変え、うなずきなどから「集中度」を探る。
・ちょっと話を盛る
事実に沿った盛りは話を盛り上げる。事実ではなく主観的な意見を盛り、自分の努力や苦労は盛らない。
・オチをつける
どこに話を着地させるのかを考える。ちょっとした自虐や、そこから学んだことはオチになりやすい。定番の話をいくつか持っておくとよい。
・自己開示で距離感を詰める
軽い失敗や自虐で距離を詰めるのが良い。相手に話を振る際も自分の趣味や出身地など相手が食い付きやすい情報を小出しにする。ただし自分の話をするのではなく、相手の話を引き出すための餌として使う。
・オノマトペを使う
オノマトペで表現が生き生きとする。特にパ行おオノマトペが良い。
・声のボリューム
相手の話をする時は大きめ、自分の話をする時は小さめ。
・地域ネタは鉄板
地域のネタは盛り上がる。全国都道府県の名産品など知識を持っておくと良い。
・キーワードを拾って聞く
聞くのは難しい。相手の口にしたキーワードを拾ったり、相手が好みそうなキーワードを先回りして使う。
・あいづちに一言加える
「すごいですね!」で終わらず、どう感じたか、今までと何が違うかなどを一言加える。評価するような言い回しは避ける。
・自慢を引き出す
相手の自慢やこだわりポイントを突くために「どうしてそんなに○○なんですか?」というフレーズは使いやすい。
・たとえ話で説得力を増す
料理、健康、共通の知人など双方が知っていることをベースにたとえ話をする。得意なテーマを3つほど準備しておくと良い。対比型のたとえが分かりやすい。
・ネガティブな内容には深入りしない
相手のグチは受け入れるべきだが、深入りはせず話題を別の方向にずらす。
・断る時は可愛げ
相手は断る理由にそれほど興味はない。「せっかくの誘いで、そうしたいのは山々」という気持ちを表情で演出し、必要があれば代案を出すなどする。
・相手が間違っていても真っ向から反論はしない
「ふと思いついた」として別提案をしたり、反対の状況にもっていく故事成語を使うなどでコントロールする。
・「共感」と「提案」をセットで
真夏に来訪した人に「暑かったですか?」と聞くのは意味がない。
「暑くて大変でしたね」と共感し、「冷房の温度を下げましょうか」とか「飲み物をお出ししましょうか」といった提案をすることで、心配りが伝わる。
・話の階層を整理する
言いたいことを順番に並べるだけでなく、論理的構造を明らかにして話した方が分かりやすい。
・タイプ別の話し方を心がける
CP(Critical Parent)のボスタイプには、答えをはっきりと、メリット示す。
NP(Nurturing Parent)のおっとりタイプには丁寧な言い回しで人間性を評価。
A(Adult)の理系タイプには細かい部分も納得いくまで説明していく。
FC(Free Child)の盛り上げタイプには好きに喋らせておく。
AC(Adapted Child)の大人しいタイプには意見を強要せず存在を認める。
・複数人での雑談
キーマンを見極め、共通の話題を振りつつある程度キーマンに合わせる。
【感想・考察】
会話は、相手や環境や話題など、その場の状況によって変わっていく生き物なので、単純にスキルだけを磨いても上達するののではなない。この本に書いてある内容も、うまく嵌ることもあれば、逆効果になることもあるのだろう。
とはいえ「相手の話をきちんと聞く」といったようなスキル以前の心構えは、意識しながら繰り返し実践することで身につくもので、こういった本が良い契機となることもあるのだと思う。