毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

多動力

【作者】

 堀江貴文

 

【あらすじ・概要】

 インターネットの普及で「垂直統合モデル」から「水平分業モデル」へ移行し、産業の「タテの壁」が消え始めている。興味ある分野を渡り歩く「多動力」が必要となる時代だとしている。

 

・一つの仕事をコツコツやるべきではない

 以前炎上した「寿司屋で何年も修行するのは無意味」の例を挙げ、情報は簡単に得られるようになったのだから、やり方を学ぶためだけに貴重な時間を浪費雨べきではないとする。情報がオープンになった世界で「オープンイノベーション」を起こすことに価値が移れば、とにかくチャレンジしようという行動力と、アイデアを進化させる力が求められる。

 

・3つの肩書きで価値を一万倍にする

 ある分野に1万時間投下すれば100人に一人のレベルにはなれるが、それでは普通の人。それ以外の分野二つに1万時間をかけて取り組めば、100×100×100=100万で、一つの専門分野しか持っていない人の1万倍の希少性を得られるとする。

 

・ベストセラーはコピペでいい

 「全部自分でやることに価値がある」と考えると多くのアウトプットに繋げられない。最も得意で自分にしかできない部分に集中する。本を書くのもインタビューから起こしてもらってもいいし、過去の発言をまとめてもらうのでもいい。

 

・見切り発車は成功の元

 イベントを企画するにも最初から完璧にしようと思うと進まない。準備に5年かけるなら失敗しながらでも5年間繰り返し経験を積んだ方が良いものが作れる。

 

・サルのようにハマり、ハトのように飽きる

 バランスを大事にする教育では抜きん出る人は育たない。ハマれることがあればどんなことでもやってみるべき。飽きが来るのは余裕が出たということなので、そこで止めることを躊躇する必要はない。

 

・自分の時間を取り戻す

 非同期コミュニケーションができる技術があるのに、電話などで相手の時間を奪う人とは距離を置いている。大事な会議でもスマホをいじって良いと考える。

 

・自分の分身に仕事をさせる

 自分が「原液」を作りだせば、人々が広めてくれる。濃くインパクトのあるアイデア・発言を適正な方法で発信すれば、それ自体が伝播する力を持つ。堀江氏の発言が物議をかもすことで、堀江氏自身はテレビに出なくてもテレビで存在感を維持することができる。

 

・原液を作るには教養が必要

 表層的な情報やノウハウは手軽に得られるようになったが、その根幹を理解する必要がある。

 

・「質問力」が高いということ

 あまりにありきたりな質問、論点がごちゃ混ぜの質問、前提条件がわからない質問、不要な情報を織り込みすぎた質問、答えが分かっている質問、からは有意義な回答を得ることができない。

 

・会議は短く

 99%の会議は不要。何を決める会議なのかを明確にし、事前に必要な情報を集め、感情を持ち込まずロジカルに判断することで、会議は短くできる。

 

・仕事はスマホでできる

 ほとんどの仕事はスマホでも完結できる。慣習や組織の同調圧力に負けて無駄なことをしていないか。

 

・仕事はリズムが大事

 長文での連絡や、電話はリズムを乱す。リズムを乱す要因を徹底排除する。

 

・恥をかいただけ自由になれる

 はっきり言って他人は誰もあなたに興味を持っていない。失敗する経験は恥をかくことの免疫を得ることにもつながる。

 

・人生に目的はいらない

 何かの目的のために努力をするのではなく、今を最大限楽しむことに全力を尽くしている。

 

【感想・考察】

 「周りの目を気にせず、その時興味があることに全力で突っ走る」バイタリティが周りを巻き込んでいく様子がよく分かる。しかしながら、どうしても発言に重さが感じられず、同意しきることができない。

 産業の「タテの壁」がなくなり、複数分野を経験することで希少性の相乗効果が出てくるのはその通りだと思うが、一つの分野を徹底して掘り下げる人も逆に希少性が高まって来るのだと思う。

 ある特定の分野で100万人に1人の存在になるには桁外れの努力が必要だが、100人に1人レベルの専門性を複数身に付ける方が効率が良いということだと理解するが、前者の希少性の方がだいたい不可能性が高いと感じる。その世界に至るためにはやはり「石の上にも三年」的な大量かつ継続的な労力の投入が必要になるのだと感じる。

 もちろん全ての人がそういう「重い」生き方をする必要はないし、効率よく人生を楽しめるならそれは幸福なのだと思う。「重い」生き方を過度に尊重する傾向を感じ、それ以外の生き方を提示しているということなのだろうが、「重い」生き方をする人への敬意が感じなれないのが問題なのだと思う。

 

 

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