大どんでん返し創作法: 面白い物語を作るには ストーリーデザインの方法論
【作者】
今井昭彦
【あらすじ・概要】
物語を「面白く」するための具体的な手法を教える。まずは型を覚え、型を利用することで作品を作るトレーニングを重ねていくべきだとする。
主なポイントは以下の通り。
・ドラマには葛藤が必要
対立軸を明確にするために対立する「敵」を出す。内面の葛藤の克服も同じ構図。
・物語には「目的」が必要
・目的達成を妨げる「障害」が必要
★面白いストーリーの基本「目的を達成したい主人公が、それを邪魔する敵と戦う」
・「目的」の設定は、大事なものの「欠落」から見つける
・主人公の成長を示すために選択肢を使う。
最初は低レベルの選択、最後により良い選択を行うことで成長を表す。
・成長のポイントは「知恵」「勇気」「人間性」
・成長させるために奪う
・内面描写でなく行動で示す
・物語を動かす「悪」の動機を考える
マズローの欲求段階(生理的、安全、社会的、自我、自己実現)に加え自己超越。
・物語を面白くするには「どんでん返し」が効果的
・どんでん返しの10の類型
「敵」と「目的」に驚きを仕込む。1〜8の類型は敵に対する驚き。9と10は目的に対する驚き。敵のイメージとして3つのモンスターの組み合わせを使う。
ドラキュラ ー 外部の恐怖
狼男(ウルフ) ー 自分の中に救う制御できない恐怖
フランケンシュタイン ー 自分の過去の行為に対する恐怖
Type01ドラドラ 「敵はAではなく似たようなBだった」
Type02ウルドラ 「敵は自分の中にいると思ったら外部にあった」
Type03フラドラ 「敵は自分のせいで生まれたと思ったら別にいた」
Type04ドラウル 「敵を追い詰めたと思ったら自分の中にいた」
Type05フラウル 「敵は自分のせいで生まれたと思ったら自分自身だった」
Type06ドラフラ 「敵を追い詰めたと思ったら自分自身だった」
Type07ウルフラ 「敵は自分の中にいると思ったが自分が原因だった」
Type08どらどら 「敵は死んだと思ったら生きていた」
Type09ハナサカ 「死んだと思っていた目的が生きていた」
Type10アオトリ 「目的は意外と近くにあった」
伏線は偶然を偶然と感じさせないために事前に仕込む。忘れさせてその場で思い出すと快感がある。平行線で違う視点で語ることも必要だが、混ぜすぎない。徐々に本筋に近づけていく。
【感想・考察】
具体的な描写でわかりやすい。何か物語を書いて見たいと思わされた。類型を徹底的に利用し、その上でも自分の文章には自分の個性がでるものだということは理解できる。物語を書こうとし始める人には良い本だと思う。