魔王城殺人事件:〜もしRPGの世界で殺人事件が起こったら。②〜
【作者】
八槻翔
【あらすじ・概要】
前作「天空城殺人事件」の登場人物と設定を引き継いだ続編。ドラクエのような古典的RPGの設定を活かしたミステリとなっている。
魔界に連れてこられ塔に幽閉された「勇者」が、何らかの手段で脱走する。魔力を持つ手枷を嵌められ、魔法も剣も使えない状態でどのように脱出したのか。
前作で生き残った者たちも、勇者を「解放」し再び魔物と退治するため、魔界に乗り込んでいく。
脱走した勇者を追いかける魔族や、「勇者の剣」を確認に来た魔物軍の将軍などが、次々と殺されていく。誰が何の目的で連続殺人(殺魔物)をしているのか。魔王が謎を解いていく。
【感想・考察】
前作は完全なクローズドサークルで典型的なミステリの舞台で、各RPGキャラの武装制限や能力によるパズル的な推理があった。今作は謎解きの比率は下がり、RPGのファンタジー世界で様々な思いを持った人や魔物のぶつかりあいを描く作品となっていた。それなりに面白いが、前作の斬新さはなかった。
この作品は前作の続編で、完全なネタバレを含むので必ず前作の読了後に読むべき。