天空城殺人事件:〜もしRPGの世界で殺人事件が起こったら。〜
【作者】
八槻翔
【あらすじ・概要】
勇者による魔王討伐部隊のパーティー選抜試験が行われる。火の妖精ローズマリーと水の妖精アナスタシアを従える妖精使いのサザナミが語り部となって展開する。
選抜試験には法術師、魔道師、盗賊、格闘家、鑑定士、妖精使いの6人が参加、勇者・執事と天空城で過ごすが、勇者の防具が破壊から始まり、連続殺人が始まる。移動のための魔法陣がエネルギー切れとなり、数日間は閉じ込められた状態となる。
それぞれの職業は、ドラゴン・オーブに見初められ任ぜられるが、能力の獲得の代わりに制限も受ける。格闘家は岩をも砕く拳を手に入れるが、武器は装備できないなど。それぞれの職業の能力と制限から、犯人を推理していく。
【感想・考察】
古典的なRPGの世界観や職業設定を使いながら、移動手段の停止によるクローズドサークルや、各職業ごとの能力制限をキーとしたパズルのような謎解きは、かなり本格的な推理ものとなっている。気軽に読める話だが、RPGの設定を活かしたミステリというのは新鮮で、各キャラクタの描写も上手なため十分に楽しめた。