家政婦さんが推理してみた〜被害者がノーパンだった件〜
【作者】
東川篤哉
【あらすじ・概要】
Kindle Singlesで短編2編をまとめたもの。
1編目は世界的に有名な綾羅木”夫人”探偵の家政婦が、イマイチ冴えない綾羅木”夫”探偵を持ち上げつつ、安楽椅子探偵として聞いた話から謎をとく。
ある貧乏な男子大学生が、持っていたカバンを奪われ殺されたが、なぜかノーパンにジーンズ着用だった。家政婦は被害者大学生の行動を推理し、解決に結びつける。
2編目は綾羅木夫婦の娘、10歳の小学生探偵である有沙と有沙の子守を頼まれた「何でも屋」の橘が主人公。橘が絵のモデルとしてバイトをしていた家で画家が殺された事件に関心を持った有沙は、事件の起きた家を訪れ、橘が見逃してた事実から真相に辿り着く。
【感想・考察】
東川氏らしい、安定したコメディー・ミステリー。毒舌執事の「謎解きはディナーのあとで」と同じく慇懃無礼な家政婦だったり、 お淑やかな小学生女子が子供らしからぬ推理力や行動力を示したりと、「ギャップ萌え」を狙ったキャラが登場する。探偵役のキャラクタの面白さ、セリフの掛け合いの楽しさが素晴らしい作品。ミステリの仕掛けはまあまあだが、面白さは謎解きよりもキャラクタ造形にあると感じた。