毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

セカンド・ラブ

【作者】

 乾 くるみ

 

【あらすじ・概要】

 出会いの一年後、結婚式のシーンから始まる。

 主人公の正明と春香は、友人に誘われたスキーで出会う。正明は春香に惹かれるが、自分とは釣り合わない縁のない人として諦める。しかしながら数日後、春香から連絡を受け、二人は徐々に親しくなり、結婚を前提とした付き合いを始める。

 ある日街を歩いていると、春香が水商売の女性と間違われる。正明は春香に似た女性が気になり、その人が働く店を訪れ、春香に似た美奈子と出会う。正明は春香を大事に思いつつ、上品な春香と似た外見ながら、奔放な性格の美奈子にも惹かれていく。

 

【感想・考察】(少しネタバレあります)

 イニシエーション・ラブ」の時は、叙述トリックだということも、ミステリだということすら知らずに、なんだか退屈な恋愛小説だと思って読んでいたので、ラストには驚かされた。本作は「叙述トリックなのだろうな」という見方で読んでいたので、「二人は同一人物」というのは予測できた。ただ序章と終章の正明の視点はもう一つのネタとして驚かされた。

 春香の行動の動機が見えず、正明のクソ真面目な重さと重なって、読後にスッキリしない感じは残った。「イニシエーション・ラブ」のようにラスト数行でひっくり返す部分はあったが、主要部分は春香たちの説明的なセリフで伝えられたのも少し残念。

 そうはいっても、叙述トリックということが分かっていても、十分に楽しめる作品であったのは素晴らしいと思う。何の事前知識もない状態で読めれば幸せな作品。

 

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