毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

黒本

【作者】

 高城 剛

 

【あらすじ・概要】

 著者の運営する会員制サイトの質問コーナーをまとめて書籍化したもの。前作の「白本」に続いて今作でも多種多様な問答がされているが、中でも「日本式の儒教システム」が弊害となって日本が疲弊している、というのが全体を通してのテーマとなっている。「日本式儒教」というのは江戸時代のオリジナルの儒教の要素を取り入れながら朱子学で完成した思想で、「年長者や先輩は絶対的な権力者である」とし「上の者が築き上げたフレームワークを守ること」を至上命題とする。困った時は、上下の関係を正すのではなく、「下の者だけで工夫して助け合え」とする。これは「絆」や「和」という言葉に置き換えられている。

 部活動などの学校教育や、テレビのバラエティー番組でも年長者が後輩を「いじる」のを面白がり正しいこととしている。テレビを中心としたマスメディアは暴力団と非常に近しい芸能プロダクションと深い利権でつながっている。最近ではネットメディアもその枠組みに絡め取られている。

 日本の衰退を防ぐためには、日本人一人一人が「日本式儒教システム」の支配から脱し、上に依存しない自律的な生き方で、分権的な構造に変えていくしかない。

 

【感想・考察】

 メディアに深く関わりつつも、食い扶持を外に持っている高城氏だか書けた内容で、既存の出版システムに依存しないから書籍化できたのだろう。それくらいはっきりとしたマスコミ批判がされている。

 日本が活力を失ったことの分析としては面白く、国に頼らない生き方をしている自負も力強く感じる。「日本はダメだ」という一方的な見方で単純化しすぎている部分もあり、他の国でも大なり小なり同じような問題を抱えているのだとは感じた。

氏のバイタリティーとサバイバル能力の強さは是非とも学び取りたいと思う。

 

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