毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

『ESG思考 激変資本主義1990-2020、経営者も投資家もここまで変わった』夫馬賢治

ESG(Environment、Social、Government)思考が資本主義を変えた! というお話。 「環境に配慮するのはコストがかかる。本音ではやりたくない。とはいえ、何もしないと印象が悪い。から形だけでもやっとこう」 というあたりが多くの経営者の本音でしょう。 …

『仮想空間シフト』 尾原和啓、山口周

コロナ後の「仮想空間シフト」に乗っかろう!というお話。 「リモートで働く仕組み」自体は、だいぶ前からあったけれどコロナの影響で「強制的に」キャズムを超え、もう「元には戻れない」ところにたどり着いているという見解です。個人的には「仕事上」では…

『外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~』山口周

知的生産のボトルネックになるのは「思考の技術」より「行動の技術」! 「外資系コンサル」というと「ロジカルゴリ押し」のイメージですが、著者は現場での実践を重視するスタイルでものすごく腹落ち感がありました。 人を動かすのに、合理性は「わりとどう…

『七回死んだ男』西澤保彦

SF要素が入った「本格ミステリ」です。 超能力とか霊能力が出てくると「論理的」なミステリを成立させるのは難しくなります。 テレポーテーションができる世界で「密室トリック」は無意味だし、「呪い殺す」ことができる世界で「アリバイ」なんかは意味がな…

『准教授・高槻彰良の推察5 生者は語り死者は踊る』澤村御影

『准教授・高月彰良の推察』シリーズ第5弾! 一見「怪異」に見える事件を「現実的な解釈」で解決していくスタイルのミステリです。でもその中に「本物の怪異」をちょこっと混ぜてくるのが面白い。今作では、主人公の一人である深町を襲った「孤独になる呪い…

『詐欺師は天使の顔をして』 斜線堂有紀

カリスマ霊能力者を演じる「子規冴昼」と、抜群の洞察力と緻密な下準備で彼を支える「呉塚要」の物語。「たった一つの真実」よりも「一番大切な人にとって都合の良い虚構」を追求していく要がカッコいいですね。「嘘つき好き」な私には「コン・ゲーム(詐欺…

『コーヒーが冷めないうちに』 川口 俊和

「一杯のコーヒーが冷めるまでの間だけ」過去に戻ることができる、古びた喫茶店「フニクリフニクラ」で起きるドラマ。「過去には戻れる。でも、過去に起きた出来事を変えることはできない」という制約があるけれど、それでも人は「大切な人が過去に残した思…

『密会 アムロとララァ』 富野由悠季

SF

ララァとアムロの邂逅を中心に描く、初代ガンダム「一年戦争」のダイジェストです。富野氏は小説版だと「はっちゃける」と聞いていたけれど、本作はわりとテレビ版オリジナルに近く、違和感なく読めました。ちょいエロ要素が加わったくらいかな。それでも、…

『連続殺人鬼カエル男ふたたび』 中山七里

『連続殺人鬼カエル男』の続編です。前作が未読だと、内容を掴めないと思います。必ず順番に読みましょう。今作もグロ表現が多くて、ちょっと読みにくかった。。でも、よく練られたどんでん返しはやっぱり面白い。 ラストはなかなか爽快でした。リンク先にあ…

『毒入りチョコレート事件』アンソニー・バークレー

一つの事件に6人がそれぞれ「これこそが真実」だと思える解決を提示する。でもその後、論理を崩す証拠が後付けで出てきてひっくり返される。ものごとには「多様な解釈の仕方がある」し「いくらでも恣意的にコントロールできる」ことを示したお話です。 技巧…

『会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン』伊庭正康

仕事を速くするには「スケジューリング」が大事!紙の手帳を使いこなし、スケジュールを主体的にコントロールする方法を解説しています。役立つ話も多かったけど「紙の手帳」へのこだわりには、ちょっと無理も感じました。 例えば昨今リモート勤務だったりす…

『連続殺人鬼カエル男』 中山七里

中山七里さん、またまた凄い作品。引き出しの多さに驚きました。終盤の怒涛の伏線回収に、心地よい「騙された感」がありますね。グロい表現は苦手なんだけど、ストーリーに引っ張られて一気に読みました。そんな中「罪と贖罪」のテーマは重いです。刑法39条…

『崩れる脳を抱きしめて』 知念実希人

研修医の碓氷蒼馬が、脳に爆弾を抱えたユカリと出会う。二転三転のどんでん返しが仕組まれたミステリとして素晴らしい完成度ですが、「恋愛小説」として圧巻です。ぐっしょり泣かされました。ゴールデンレトリバーとか黒猫が出てくるあたり『死神シリーズ』…

『新本格魔法少女りすか』 西尾維新

10歳の魔法少女りすかと、少年 キズタカの物語です。『ジョジョ』のスタンドや『Hunter×Hunter』の念能力のような「能力バトル」もの。 頭脳戦の要素が強く、魔法は使えないけど「『魔法使い』使い」のキズタカが「スタンド使い」のごとく相手の能力の隙を突…

『ヒポクラテスの試練』 中山七里

法医学ミステリ「ヒポクラテス」シリーズの第3弾! シリーズ3作目で急にスケールが広がりました。 前作までは「司法解剖制度」がないがしろにされることで「多くの異状死が闇に葬られている」ことに警鐘を鳴らしていましたが、本作では「法医学者」の範疇を…

『凍りのくじら』辻村深月

父の名を継いだ写真家 芦沢理帆子のお話です。中盤から話が加速し、ラストの怒涛の伏線回収は鳥肌ものでした。理帆子の孤独を救った「強い光」がカッコよくて涙が出そうになる。サブタイトルが秘密道具だったり、ストーリーを組み込んだり、随所にドラえもん…

『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』 澤村御影

「准教授高槻教授の推察」シリーズ第4弾。このシリーズは、都市伝説の怪異を探りながらも、現実を見た論理的な謎解きミステリになっています。本作では、高槻准教授と学生の深町、二人の主人公のキャラクタストーリーに主軸が移ってきている感じですね。「嘘…

『ヒポクラテスの憂鬱』 中山七里

法医学ミステリー「ヒポクラテス」シリーズ第2弾!助教授となった真琴、死体マニアのキャシー、偏屈な解剖学者の光崎、不器用な刑事 古手川たちが、前作に引き続き「死体の声」を聞いて真実を探ります。今回は「コレクター=修正者」という告発者に翻弄される…

『夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え』 水野敬也

『夢をかなえるゾウ1』、『夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神』に続くシリーズ第3弾です。相変わらずのコメディ風自己啓発。今回は「ブラックガネーシャ」というだけあって、「痛みを伴う教え」が多いスパイシーな内容。ビジネスや恋愛の場面で「逃げち…

『残業バケーション/運命の人はどこですか?』 柚木麻子

恋愛アンソロジー「運命の人はどこですか?」からのシングルカットです。 仕事に忙殺される歩が、90年代ドラマ「その時、ハートは盗まれた」の話を通して、同期の種田くんと親しくなっていくお話。「大人の夏休みは、自分から動かない限り、作り出せない」 …

『ヒポクラテスの誓い』 中山七里

「法医学」の世界を描いた「ヒポクラテスシリーズ」の第一弾! 中山七里さんには「職業ミステリ」的なお話が多いのですが、どれもレベルが高い!ピアニストや弁護士、作家から福祉職員、果ては総理大臣まで、幅広い題材なのに手抜きなく良く調べられているな…

『倒錯のロンド』 折原一

タイトルが秀逸ですね! 主題を繰り返す輪舞曲になぞらえ、盗作が連鎖し、倒錯も連鎖していきます。最後に全景がみえると驚きが生まれる。あらすじもネタバレも見ず、予備知識なしで読むのが幸せな作品です。リンク先にあらすじを上げていまうが、あんまり余…

『インドはむりめ/運命の人はどこですか?』 南綾子

恋愛アンソロジー「運命の人はどこですか?」の1編を切り出した電子書籍版。友人たちと愚痴り合ってた派遣社員の真樹の前に、人生の選択を迫られます。 お見合いで知り合った人と結婚するか。正社員となる代わりに中国赴任を受け入れるか。内緒で同棲してい…

『化物語(下)』 西尾維新

電子書籍版での「物語シリーズ」3冊目。今回は、羽川翼がメインのラブストーリーです。羽川がメインだけど、前半にでてくる戦場ヶ原とのデートシーンが印象的。シリーズヒロインの座は揺るがせないですね。リンク先にあらすじと感想を上げています。 booklet…

『卵の緒』 瀬尾まいこ

母と小学生の息子と、母親の再婚相手、3人の家族の物語です。いやぁこのお母さん、めちゃくちゃカッコいい! 家族っていうのは、血がつながっているから自動的に成立するものじゃない。逆にいえば血がつながらなくても「愛」があれば成り立んですね。物理的…

『密室殺人ゲーム2.0』 歌野晶午

「密室殺人ゲーム」シリーズの第2弾です。私は間違ってこちらから読み始めてしまったけど、『密室殺人ゲーム王手飛車取り』を先に読みましょう。仕込みが先に見えてしまった。。推理ゲームのために実際に殺人を犯すクレイジーな集まり。後味の悪い話ですが、…

『准教授・高槻彰良の推察3』 呪いと祝いの語りごと

「准教授・高槻彰良の推察」シリーズ第3弾!不幸の手紙+図書館の都市伝説の話と、鬼退治伝説の話でした。最近は、紙の手紙が使われなくなって「不幸の手紙」もなくなってきたようです。メールやSNSなど発信元を隠すのは難しいということなのでしょうか。 別…

『化物語(中)』 化物語 西尾維新

「化物語」電子書籍版の2冊目です。阿良々木暦と戦場ヶ原ひたぎ たちが「怪異」と立ち向かうお話。本巻では、後輩の神原駿河が「猿の手」と戦う『するがモンキー』と、妹の友人 千石撫子を「蛇の呪い」から救う「なでこスネイク」の2編が収められています。…

『クリムゾンの迷宮』 貴志祐介

参加者同士が敵となるバトルロワイアル形式の脱出ゲームです。 メンバー同士の騙し合いや、企画者の意図を読んでいく頭脳戦が面白いですね。こういう「騙し合いゲーム」が結構好きです。全体としては貴志祐介らしく「安定の後味の悪さ」があるのですが、この…

『無駄な仕事が全部消える超効率ハック』 羽田康祐k_bird

生産性アップのための57「ハック」を紹介しています。根底にあるのは「頑張る」ことから「頑張り方を考える」ことへのシフトという考え方ですね。要は「やるべきことの優先順位を明確にしましょう」という話で、「忙しいからノコギリの刃を研いでいる時間な…

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