毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『夢をかなえるゾウ』 水野敬也

数年ぶりの再読。読むたびに新しい発見がありますね。胡散臭い大阪弁を喋るゾウの神様「ガネーシャ」が、「変わりたい」と願う「僕」を導いていく話です。構成は本当に巧みで・胡散臭くなりがちな「自己啓発」を、より一層の胡散臭さで上書きする。・靴磨き…

『太陽の坐る場所』 辻村深月

有名女優になったキョウコをクラス会に誘う様を、洞窟に閉じこもったアマテラスを引っ張り出す神話に擬える。28歳の男女の「マウント取り合い」に、キョウコの投げかける太陽の光がもたらす化学変化が面白い作品です。正直「ここまで繊細だと生きにくいよな…

『超約ヨーロッパの歴史』 ジョン・ハースト

副題に「The Shortest Hisotry of Europe」とある通り、短くまとめられたヨーロッパ史解説です。短いのですが、ヨーロッパ文化の起源、侵略と征服の歴史、キリスト教の影響、言語や農業からの分析、封建制から近代の議会制民主主義までの流れ等々、それぞれ…

『「Why型思考」が仕事を変える 鋭いアウトプットを出せる人の「頭の使い方」』 細谷功

表面的事象や行動をなど「何を」を重視する「What型思考」と、その背景にある本質や行動の背景を考える「Why型思考」について解説する本です。状況が変わっているのに前例踏襲を続ける思考停止が多いですね〜「Why」を考えることは大事です。逆に、直接的な…

『依存』 西澤保彦

構成力が凄まじい作品でした。本筋と無関係に見えるエピソードが挟まれ、それぞれを「純粋な論理パズル」として推理されていくのだけれど、そこで浮き上がったテーマが、それぞれラストに繋がるピースとなっています。「立場を変えて見えてくる共依存」「防…

『悪魔を憐れむ』 西澤保彦

「タック&タカチ」シリーズの短編集。彼らが大学を卒業した後、それぞれの道を歩んでいく中で遭遇した事件を描く、4つの短編集です。どの話も「なぜそうしたの?」を問うワイダニットなのですが、その理由に「人間の業」が感じられます。とくに表題作の『悪…

『超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由』 Testosterone、久保孝史、福島モンタ

「死にたい」から「殺すぞ」へ。筋トレで、健康になり、異性にモテて、仕事ができるようになり、アンチエイジングを果たし、メンタルが安定し、ダイエットに成功し、自信をつけよう!という、ひたすら「筋トレ推し」の本です。「科学的に実証」しようとして…

『冤罪者』折原一

連続殺人事件を追うノンフィクション作家の婚約者が殺された。無期懲役の判決受けた「犯人」 は、自白を強要されたとして無罪を主張する。折原一さんの作品ということで「叙述トリック」アリなのは、織り込み済みで読みました。人物の同一性とか、時間軸とか…

『仔羊たちの聖夜』 西澤保彦

タック、タカチ たちの本格推理シリーズです。時系列的には第3段なのかな。 一年前のクリスマスイブ、マンションから飛び降りた女性のプレゼントが、タカチたちの持ち物に紛れ込んでいた。プレゼントを遺族に返そうと調べていると、5年前のクリスマスイブに…

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』 リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット

2007年に先進国で生まれた子供は、半数以上が100歳を超えて生きる。「人生100年時代」に突入し、「学校で学習・会社で仕事・老後」の3ステージ構成が機能しなくなった現代、新しい考え方と行動が必要だと提言する本です。ざっくりまとめると、「より長く、ご…

『推し、燃ゆ』 宇佐見りん

主人公の あかりは、自分にとっては「完全に普通の人」でした。 とりとめのない一人称視点の文章が「発達障害」っぽい感じを出しているけれど、自分の思考も、これくらいの「とっ散らかり方」だし、学校やバイト先での「コミュニケーション」のしずらさも「…

『死体埋め部の回想と再興』 斜線堂有紀

『死体埋め部の悔恨と青春』に続くシリーズ第2弾!オチがついてしまった前作ラストからどう繋げるか、興味津々でいたら、まさかの展開でした。前作を読んでいないと意味がわからないと思うので、順番通り読むことをお勧めします。「青春時代に手に入れられ…

『死体埋め部の悔恨と青春』 斜線堂有紀

「死体埋め部」で大学生活を満喫する、男二人の物語です。これから埋める死体を肴に「ウミガメのスープ」的な推理ゲームを楽しむ、サイコパスっぽい展開でした。斜線堂有紀には「正しさ」とか「愚かさとか」判断基準を少しずつずらしてくる話が多い。この作…

『八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。』 天沢夏月

彼女の死後4年が経った「現在」と、彼女と知り合った高校生時代の「過去」時間を超えた「交換ノート」が思いを綴る、切ないラブストーリーです。 プロローグから、彼女が死んでしまう結末が分かっているのに、その「八月の終わり」に向かわなければならない…

『彼女が死んだ夜』 西澤保彦

その「女性の遺体」には、何層もの複雑な思惑が絡んでいた。「匠千暁シリーズ」の、時系列的には第1弾です。「エピローグ」が印象的でしたね。ミステリ的には蛇足感もあるんだけど、ラスト数ページに「ドライな人間観とウェットな愛憎のせめぎ合い」を集約さ…

『本好きのためのAmazon Kindle 読書術: 電子書籍の特性を活かして可処分時間を増やそう!』 和田稔

Kindleでの読書術を紹介する本です。個人的にはKindleにどっぷり浸かってます。クオリティはともかく、4年近くほとんど毎日、一冊本を読んで書評ブログを上げ続けられたのは、Kindleが「隙間時間での読書」を可能にしてくれたから。 紙の本も好きなんだけど…

『スコッチ・ゲーム』 西澤保彦

複雑な伏線の鮮やかな回収が美しいし、主人公たちの距離感が心地いい。気づかずにシリーズ3作目から読んでしまったが、1作目から読んでみよう。高校生の高瀬千帆は、恋人の恵を殺される。目撃者と同室だった生徒、恵の実家を訪れた生徒が次々と殺された。千…

『キーエンス~驚異的な業績を生み続ける経営哲学』 一橋大学イノベーション研究センター

産業機器向けセンサーなどで驚異の利益率を維持する「株式会社キーエンス」の研究です。高利益率の源泉はシンプルで「高く売る」&「安く作る」こと。 顧客指向の「付加価値創造」で、高く売れる製品を開発し、「徹底したコスト意識」で、安く作る。言ってみ…

『ESG思考 激変資本主義1990-2020、経営者も投資家もここまで変わった』夫馬賢治

ESG(Environment、Social、Government)思考が資本主義を変えた! というお話。 「環境に配慮するのはコストがかかる。本音ではやりたくない。とはいえ、何もしないと印象が悪い。から形だけでもやっとこう」 というあたりが多くの経営者の本音でしょう。 …

『仮想空間シフト』 尾原和啓、山口周

コロナ後の「仮想空間シフト」に乗っかろう!というお話。 「リモートで働く仕組み」自体は、だいぶ前からあったけれどコロナの影響で「強制的に」キャズムを超え、もう「元には戻れない」ところにたどり着いているという見解です。個人的には「仕事上」では…

『外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~』山口周

知的生産のボトルネックになるのは「思考の技術」より「行動の技術」! 「外資系コンサル」というと「ロジカルゴリ押し」のイメージですが、著者は現場での実践を重視するスタイルでものすごく腹落ち感がありました。 人を動かすのに、合理性は「わりとどう…

『七回死んだ男』西澤保彦

SF要素が入った「本格ミステリ」です。 超能力とか霊能力が出てくると「論理的」なミステリを成立させるのは難しくなります。 テレポーテーションができる世界で「密室トリック」は無意味だし、「呪い殺す」ことができる世界で「アリバイ」なんかは意味がな…

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