毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

『依存』 西澤保彦

f:id:kenbuchi:20210221185449j:plain

構成力が凄まじい作品でした。

本筋と無関係に見えるエピソードが挟まれ、それぞれを「純粋な論理パズル」として推理されていくのだけれど、そこで浮き上がったテーマが、それぞれラストに繋がるピースとなっています。「立場を変えて見えてくる共依存」「防衛機制としての記憶改竄」「人間関係における客観性の曖昧さ」などなど。

そして、人間の「業」の恐ろしさに慄くラストでの、鮮やかな切り返しが素晴らしい。

いやあ、すごい作品です。

リンク先にあらすじと感想をあげました。 

booklet.world 

『悪魔を憐れむ』 西澤保彦

 


f:id:kenbuchi:20210219192045j:plain

「タック&タカチ」シリーズの短編集。
彼らが大学を卒業した後、それぞれの道を歩んでいく中で遭遇した事件を描く、4つの短編集です。

どの話も「なぜそうしたの?」を問うワイダニットなのですが、その理由に「人間の業」が感じられます。

とくに表題作の『悪魔を憐れむ』は強烈。
「善意で人をコントロールする人」への嫌悪感は、西澤さんの作品のベースに流れるテーマだけれど、本作では「悪意で人をコントロールする人」との対比で「やっぱ善意の人間の方がたちが悪い」と感じさせてきます。

「正しい」という思いが外側に向くと人を傷つける。

 
リンク先にあらすじと感想をあげました。

booklet.world

 

『超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由』 Testosterone、久保孝史、福島モンタ

f:id:kenbuchi:20210217190607j:plain

「死にたい」から「殺すぞ」へ。

筋トレで、健康になり、異性にモテて、仕事ができるようになり、アンチエイジングを果たし、メンタルが安定し、ダイエットに成功し、自信をつけよう!
という、ひたすら「筋トレ推し」の本です。

「科学的に実証」しようとして全然科学的じゃないんだけど、勢いがあってとにかくモチベーションが上がる。

うん、筋トレしてみよう!

リンク先に要約と感想をあげました。

booklet.world

『冤罪者』折原一

f:id:kenbuchi:20210216222243j:plain

連続殺人事件を追うノンフィクション作家の婚約者が殺された。
無期懲役の判決受けた「犯人」 は、自白を強要されたとして無罪を主張する。

折原一さんの作品ということで「叙述トリック」アリなのは、織り込み済みで読みました。人物の同一性とか、時間軸とか、どこかに「だまし」があると思うから、全員が怪しく見えてきます。緊張して読むので疲れますね。。

本書のタイトルは、日本語で「冤罪者」、英語で「STALKER(ストーカー)」です。

「ストーカー」の方は、ストーリーを凝縮している感じです。
誰もが怪しく見える中で、ストーカー的に迫ってくる真犯人の恐ろしさが、一つの醍醐味でした。


もう一つ「冤罪者」の方は、本書が読者に投げかけるテーマなのだと思います。冤罪は人を不幸にする、とはいえ「疑わしきは罰せず」では警察は機能しない。
一人の人間を通して、冤罪にまつわる両面を示して問題提起をしています。

考えさせられる内容でした。

リンク先にあらすじと感想を上げています。

 

booklet.world

『仔羊たちの聖夜』 西澤保彦

f:id:kenbuchi:20210215091251j:plain

タック、タカチ たちの本格推理シリーズです。
時系列的には第3段なのかな。

 

一年前のクリスマスイブ、マンションから飛び降りた女性のプレゼントが、タカチたちの持ち物に紛れ込んでいた。

プレゼントを遺族に返そうと調べていると、5年前のクリスマスイブにも、高校生が同じ場所で死んでいたことがわかる。


そして今年の同じ時期、タカチたちの知り合いである大学講師も、同じ場所から飛び降りた。

3つの事件に関係はあるのか。


善意である分たちの悪い「独善的支配」が、人を壊していく様をグロテスクに描く作品でした。一方で、タカチが「自立した友人」たちに囲まれ、心の傷を回復していくのが「救い」でした。

時系列的には後になる「スコッチ・ゲーム」と合わせて読むと、より深く作者のメッセージが理解できます。

 

 リンク先にあらすじと感想をあげました。

booklet.world

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』 リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット

f:id:kenbuchi:20210213112031j:plain

 2007年に先進国で生まれた子供は、半数以上が100歳を超えて生きる。

「人生100年時代」に突入し、「学校で学習・会社で仕事・老後」の3ステージ構成が機能しなくなった現代、新しい考え方と行動が必要だと提言する本です。

ざっくりまとめると、
「より長く、ご機嫌に働こうぜ!」という内容。


個人的な本音をいうと、
「そんなにずっと働きたくない。。。」のですが。

 

リンク先に要約と感想を上げました。

booklet.world

 

『推し、燃ゆ』 宇佐見りん

f:id:kenbuchi:20210212195349j:plain

主人公の あかりは、自分にとっては「完全に普通の人」でした。


とりとめのない一人称視点の文章が「発達障害」っぽい感じを出しているけれど、自分の思考も、これくらいの「とっ散らかり方」だし、学校やバイト先での「コミュニケーション」のしずらさも「全然普通」でした。

一方で、あかりが「推し」について発信するときは、割と冷静に整理された文章を書く。
「熱意を持てる対象」に「ゆっくり時間をとって向き合える」なら、集中力を維持してまとまったアウトプットも出せています。

自分と変わらないじゃん。
ああ、なるほど、そういうことか。

リンク先にあらすじと感想を上げました。

 

booklet.world

当ブログは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムであ「Amazonアソシエイト・プログラム」に参加しています。