『影の車』 松本清張
松本清張さんは長編が有名ですが、短編も良いですね。
長編ではじっくり書かれる社会背景の説明が作品に重厚感を出しているのですが、短編のスッキリした感じも好みです。
1961年に出版された作品とのことですが、舞台装置の部分には隔世の感です。
「登戸から都内に電話は繋がらないから電報を送った!?」とか「医者の往診に馬を使う!?」とか、軽い衝撃です。
一方で、他人への嫉妬とか男女の愛憎だとか、ソフトの部分には地続き感がある。
「感情」はそう簡単に変らないものなのですね。
本書はある意味「時代小説」でした。
リンク先にあらすじと要約を載せています。