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『君と時計と雛の嘘 第四幕』 綾崎隼

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雛美の「嘘」に涙が止まらない。。

 

 

タイトル:君と時計と雨の雛 第三幕

作者  :綾崎隼

 SF小説度     ★★★☆☆

 恋愛小説度    ★★★★☆

 ミステリ度    ★★★

 総合オススメ度  ★★★★☆

 

あらすじ - ネタバレあり

「君と時計と塔の嘘」シリーズ第4幕。

 

10月10日の学園祭当日に「杵上綜士が織原芹愛の死を知る」、「鈴鹿雛美が古賀将成の死を知る」もしくは「織原芹愛が織原安奈の死を知る」ことでタイムリープが発生する。タイムリープを起こした人にとって大切な人が一人消えた状態で、時間が巻き戻される。

 

三人のタイムリーパーを救おうとしてくれていた 草薙千歳が、前作の最期のタイムリープで消えてしまう。

だが、千歳がこの時間線に残した手紙をみつけた綜士たちは「時間の復元力を使い、消えた人々を取り戻す方法」に気づく。

 

三人のタイムリープの原因となっているのは、5年前に雛美が平行世界からやって来たことによる「余剰の時間」だと考えた千歳は「雛美の存在がなかったことになれば、全てのタイムリープもなかったことになり、消えた人々も戻る」と推理していた。

 

綜士は、雛美の存在を「なかったこと」にはしたくないという思いと、家族や友達を取り戻したいという思いの間で葛藤していた。そんな中、雛美本人は「自分の存在を消すこと」を受け入れる。

 

タイムリープの回数制限を考えると最後となる周回で、綜士は雛美が付き続けた「嘘」の理由を知り、彼女の真の思いを受け取った。

決意が揺らぐ綜士を振りきり、雛美は自分を「いなかったこと」にしてしまう。

 

 

感想・考察

第1幕から張られた伏線がきれいに回収され、納得いく結末になっている。

最終巻ではSF的な展開は大雑把になってしまったが、ゴリゴリの恋愛ものとして泣かせる話に仕上がっていた。

雛美の「嘘」を紐解く最後の部分は泣かせに来てる。。

 

全4幕と結構長い物語だが、一気に読み切ってしまった。引き込まれる話。

 

 

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