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『ビジネスで勝つネットゲリラ戦術【詳説】』 えらいてんちょう

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正規軍より「ゲリラ」が有利な時代。

ビジネスのルールが変わった。

 

 

タイトル : ビジネスで勝つネットゲリラ戦術【詳説】

作者   : えらいてんちょう

オススメ度

 実用性      ★★★☆☆

 斬新さ      ★★★☆☆

 実践しやすさ   ★★☆☆☆

 総合オススメ度  ★★★☆☆

 

要約

大企業などの「正規軍」に、リソースを持たない「ゲリラ」が勝つための戦略・戦術を解説していく。

 

  • ゲリラの基本戦略

従来は「ヒトやカネ」などのリソースをもつ大企業が圧倒的に有利だった。しかしネットの発達で個人単位でも情報発信が可能になり、特定のジャンルを狙える個人の方が大きな組織より有利となる場合も出てきた。

とはいえ、正面から戦えば正規軍が有利。ゲリラは正規軍のルールに乗ってはいけない。

 

著者はゲリラの武器は「贈与」であるという。お金をかけずとも贈与を武器に人の心をつかむことはできる。

需要と供給のバランスが崩れている「バグ」を探し、そこを狙う。もっともバグが発生しやすいのは「人の心」

ゲリラ戦の基本は「感情に着目した贈与戦術

 

リソースを持たないゲリラは一点に戦力を集注させるのが鉄則。一つに集中してそこでだけは正規軍に勝つ。他の戦線で負けてもも気にしない。

また規模の小さいゲリラは「意思決定の素早さ」が武器になる。正規軍に勝てる大事な要素なのでスピードを犠牲にしてはいけない。

 

著者の場合、多くの広告宣伝チャネルに手を出せないので、初出版した本では、お金のかからない「書店へのあいさつ回り」に集中して4万部の実績を出した。

 

正規軍は従業員の雇用や、株価の維持など「守るべきモノ」があるので、失敗できない。一方、ゲリラは失うモノがないので、失敗のリスクを取ることができる。基本戦略は「トライ&エラー」の繰り返しでいい。

 

 

  • 「贈与」の使い方

安い投資で大きな利益を得るのが贈与の基本。将来的に価値が上がりそうな人や、一時的に価値が落ちている人を狙う。

相手の感情を観察し主観的価値が大きくなる時に、贈与すると良い。

 

「相場」のバグを突くことも重要。例えば結婚式のご祝儀を1万円多く払っても印象に残らないが、ご祝儀と別に5000円の手作りプレゼントを渡せば相手の感情を動かせる。贈与は一回当たりの金額よりも、頻度が大事。細かく刻んで贈与を繰り返すのが有効。

 

贈与できるのは「カネやモノ」だけではない。相手に感情的な価値を与えたり、場合によっては役割を与えたりすることも、贈与になり得る。

 

  • ゆるいつながり

正規軍である起業は「雇用」という契約関係を結び、指揮命令系統を明確にして戦いに臨む。ゲリラ組織は末端までのコントロールを行おうとすべきではない

多様な人材に手を広げ、ゆるい関係を維持していくのが理想。ただし判断は独裁的に行わないと、新しいことは始められない。リーダーの仕事で最も大事なのは「撤退の判断」

ゆるい関係づくりにはネットを有効活用すべきだが、リアルでの対面も欠かすことはできない。

 

  • ビジネスゲリラの戦い方

勝てる戦場を探し、やれることだけをやる。守りに入らず攻めに徹する

 

組織的にはアメもムチも使わず、相手の共感を得ることを考える。人は苦労に共感する。シンボルを作ることも有効。発信する情報量・頻度が多いと、単純接触効果で好意を得ることができる。

炎上は「無料で宣伝してもらっている」ようなもので、恐れる必要はないが、炎上したまま逃げてはいけない。とにかく素早く謝罪し、次のネタを出してイメージを上書きさせる。

仮想敵を作ることも有効。

 

 

感想・考察

相手の感情に着目しながら効果的な「贈与」をして、お金を介在せずに「頼り頼られる関係」を緩く維持していく。

これは別にゲリラだけの戦い方じゃなくて、組織の中でも十分に有効な戦術だ。これだけのコミュ力があれば、企業内でも十分に勝ち上がっていけるだろう。

 

「弱っている人を狙え」とかいう直言や、「やりがいを与えてタダで働いてもらえ」とかいうブラックさもあるが、「正規軍だろうが、ゲリラだろうが、結局はそういう土俵で戦っている」ということが良く理解できる。

こういう「アケスケさ」もコミュニケーションの武器なのだろう。

私も学ぶ必要がある。

 


 

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