毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

世界が終わる街 戦力外捜査官

戦力外捜査官シリーズの4作目です。

 

海月警部の鋭さが前面に出てきて

シリーズ最初の頃にあった「ドジっ娘萌え」要素は薄れて

かなりシリアスな展開になってきています。

 

シリーズ2作目で出てきたカルト教団や

シリーズ3作目で登場した殺し屋 ”名無し” も出てくる

集大成的なお話になっています。

 

【タイトル】

世界が終わる街 戦力外捜査官

 

【作者】

似鳥鶏

 

【あらすじ・概要】

ラッシュ時の駅ホームで設楽巡査は何者かに押される。

バランスを崩した海月警部は線路に転落し

設楽と海月は際どいところで事故をのがれたが

その様子が動画サイトにアップされる。

二人はまたもや捜査本部から外され、

田舎の鶏小屋放火事件の捜査に回されてしまう。

 

その後、設楽は帰宅中に頭上から

コンクリートブロックを落とされたり

駅改札でナイフで刺されたりと

誰かに狙われてしまう。

 

鶏小屋の捜査をしていた海月と設楽は

近くにカルト教団の施設があることに気づき侵入し

すでにテロの準備が整っていることを発見する。

 

警察は携帯電話の位置情報で教団員の動きを把握し

海月は彼らが鉄道テロを狙っていることを見抜く。

運転手の判断や設楽たちの活躍で危機を乗り越えたが

教団メンバーはまだ残っており、

また次のテロが行われる危険があった。

 

鉄道会社と警視庁は総力を結集しテロを防ぐ。

 

【感想・考察】

テロ犯人である死刑囚の証言や

社会に適合できず教団に近づく青年のモノローグなど

時系列のことなる話を効果的に畳み込んで

緊迫感のある展開になっている。

プロットの展開が素晴らしく上手いと思う。

 

テロがあっても変わらず出勤し続けるだろう都民への皮肉とか

全て他人の責任にし自分を高める努力をしない男への非難とか

思考停止してヘイト行為を続ける人間へのいら立ちとか

気分が落ち込むような要素を詰め込んできていて

シリーズ前作までよりちょっと重たい。

エピローグでは救いが示されていたけれど。

 

また、改めて思うがこのシリーズはテロの構想が秀逸だ。

ドローンを使った毒ガス散布とか

浄水施設へのバイオテロとか

鉄道ジャックとか、どれもリアリティーがある。

そのままで実行可能ということはないだろうが

テロを狙う明確な意図があれば

大災害が起こる可能性は十分にあると思わされる。

もう安穏とはしていられないのかもしれない。

 

 

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