毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

運命の恋をかなえるスタンダール

スタンダールの「恋愛論」を引用しながら

水野敬也さん独自の恋愛理論を炸裂させてます。

 

水野さんの作品「夢をかなえるゾウ」の

ガネーシャと被る感じでスタンダールが

恋に悩むアラサー女性を導きます。

サクッと気楽に読めるお話でした。

 

 

【タイトル】

運命の恋をかなえるスタンダール

 

【作者】

水野敬也

 

【あらすじ・概要】

万平聡子は父親が起こした「遺跡ねつ造事件」の影響で

人を避け一人で本を読み妄想するようになった。

 

聡子は本名を隠して図書館の司書として働き

同僚の独身女性と生涯未婚を誓い合っていたが、

ある日訪れた美しい青年に恋をする。

 

自分の地味な見た目や、消極的な態度を思い

恋の成就は難しいとあきらめていたが

「恋愛論」の本から現れたスタンダールに

恋の手ほどきを受け、一歩ずつ彼に近づいていく。

 

 

以下、スタンダールが指南した内容の一部抜粋。

 

恋愛において、男はあまりに容易な成功を軽視する。

男性は簡単になびく女性を軽視してしまう。

自分だけが盛り上がるのではなく、

冷静さを保ちながら相手を盛り上げていく。

 

美は看板としては必要である。

「恋に落ちればあばたもえくぼ」だが

とっかかりとして見た目は大事。

化粧やファッションなど自分を磨くのは

本来楽しいこと。

最初は丸パクリでもいいから勉強すること。

 

女は恋人を選ぶにあたり、

彼女自身の気持ちより

他の女が彼を見る態度を重んじる。

周囲の評価が高い異性に関心を抱く。

周囲の評判をコントロールするのは有効な戦略。

 

恋は甘い花のようなものだ。しかしその花を摘むには、

恐ろしい断崖絶壁の縁にまで行かねばならない。

自意識や恥ずかしさなど恐怖を乗り越えなければ

成果を得ることはできない。

 

ヴォレ!

「飛んでしまえ」という意味。

 

恋の成就を日常にしたドンファンよりも、

好きな女性を妄想し、近づけば不安になるウェルテルの方が幸せだ。

冷静である方が恋が成就する可能性が高くなるが

相手を思い心震わせることにこそ幸せがあるのかもしれない。

 

恋愛における自然さは最高の賞賛に値する。

「私はどう見えているのか」など自分に意識が集中すると

自然に振る舞えなくなる。

「どうすれば相手を楽しませることができるか」などと

相手に意識を集中したほうが自然に振る舞える。

 

女は自分の与えた恩恵で男に執着する。

「損をした」のではなく「相手に与えることを楽しんだ」と

思えればサンクコストの罠から逃れられる。

 

情熱をもって恋をしたことのない人間には、

人生の半分、それも美しい方の半分が隠れている。

恋愛は対象に「結晶作用」を起こし実際以上に価値あるように見せる。

恋に落ちた人には世界中が「結晶作用」で輝いて見える。

「結晶作用」現実を見る目を曇らせ、幻滅や失望を味わうかもしれないが

それでも世界の輝きをみることには価値がある。

 

絶望は幸福への伏線である。

これはスタンダールの言葉ではなく、水野さんオリジナル。

 

 

【感想・考察】

 「恋愛論」で男女の心の機微を分析したスタンダールだが

自身はあまりモテず、恋愛的に恵まれない人生だったらしい。。

 

恋愛に限らず人間同士の関係は複雑なもので

個人の性質だとか、社会情勢だとか、

周囲の人間関係だとか、様々な要素が影響してくる。

 

絶対の正解といえる「人間関係術」などは無いのだろうが

それでも「飛び込んでしまう思い切り」だとか

「自意識に凝り固まるより相手を見る」ような姿勢などは

多くのケースで有効なのだとは思う。

 

あとは、知識だけでなく、

実践でぶつかり合う経験が必要なのだろう。

自分には経験値が足りない。。 

 

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