毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

アレグリアとは仕事はできない

コピー機「アレグリア」と格闘するOL、

地下鉄に乗り合わせた乗客たち、

みんな何かに憤ってます。

 

「日常あるある系」のコメディー風と思いきや

視線の鋭さが「よくある」レベルじゃなくて

何だか怒りのこもった作品になっています。 

 

 

【タイトル】

アレグリアとは仕事はできない

 

【作者】

津村記久子

 

【あらすじ・概要】

アレグリアとは仕事はできない

ミノベは 地質調査会社の事務員として勤めていた。

大判図面などのコピーや製本なども行うが

最近導入した複合機「アレグリア」が

まともに動かず苛立ってっていた。

 

男性社員が使うスキャン・プリンタ機能は問題ないが

自分が行うコピーだけ頻繁に止まるという

「男に媚びを売る」姿勢が許せないと考える。

同じ仕事をしている トチノ先輩が「アレグリア」への

苛立ちを見せずに落ち着いていることにも疎外感を覚える。

サポートとして来る アダシノ の対応にも怒りを感じていた。

 

重要な資料準備の前日に動きを止めた「アレグリア」に対し

ミノベの予想を超えた出来事が起こる。

 

地下鉄の叙事詩

乗り合わせた5人のそれぞれの視点から見た

通勤通学時間の地下鉄の風景を描く。

 

男子学生のイチカワは自意識過剰風なOLや

大学での英語教師に苛立つ。

 

サラリーマンのニノミヤは

中年女性と席取りで争い

自分も含め地下鉄に押し込められる人々を憐れむ。

 

OLのミカミは横暴を奮う乗客に腹を立て

女子高生のシノハラは友達と話したくなくて

女性専用車両を避けた。

 

それぞれの視点から通勤通学ラッシュの苛立ちを描く。

 

 

【感想・考察】

人やモノに対する愛情や関心が深い分、

裏返しとして怒りや憤りが強くなっているのを感じる。

 

電車の中の人をそこまで細かく観察したり

工夫して道具と良い関係を作ったり

愛や関心がなければできないことだ。

そしてその思いが通じない時、強い怒りが生じる。

 

あんまり怒ることがない自分は

枯れてしまった「情の薄い」人間なのかもしれない。。

 

とはいえ、通勤ラッシュは本当に嫌いでイヤになる。

他人同士が狭い空間に押し込められ耐えるというのは

精神的にも肉体的にもエネルギーを消耗する。

しばらく日本を離れていると

たまに戻ったとき、その異常さに気づく。

あの状態で人が苛立つのはよく理解できる。

もう少し余裕を持ちたいものだ。

 

 

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