毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

僕は僕の書いた小説を知らない

敢えて「叙述トリック」を匂わせて

自らハードルを上げるスタイルですね。

 

でもラスト数十ページはやっぱり良かった。

 

諦めずに抜いた「ハードボイルド」さんは

一人じゃなかったんですね。

 

 

【タイトル】

僕は僕の書いた小説を知らない

 

【作者】

喜友名トト

 

【あらすじ・概要】

2年前の事故で「前向性健忘」となった小説家の岸本アキラ。

事故の後の記憶は眠ると消えてしまう。

パソコン残された前日からの「引継ぎ」で状況を知り

少しずつ小説を作り上げていく。

 

アキラは、

高校生だった妹の日向の成長に驚き、

友人である修が先に進んでいく姿に焦り、

以前からの知り合い田中さんのバーで酒を飲む。

 

記憶を積み上げられない自分が「無」となることを恐れ

日々小説を作り上げていくことを自分に課していた。

 

事故後に知り合った人は翌日には忘れてしまうが

「引継ぎ」や小説自体を使いながら、

「カフェ子」翼 の関係をとてもゆっくり積上げていく。

 

苦心の末に作品を仕上げた後、

アキラの運命は大きく動いていく。

 

 

【感想・考察】

作中で叙述トリックを強調しているので

日付や会話内容などに注意し穿った見方をしていたが、

その「仕掛け」は読者を驚かせるよりも

「諦めずに闘うことは格好いいよ!」というメッセージを

印象的に浮かび上がらせるために使われていた。

 

なかなか「ハードボイルド」な作品です。

 

 

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