毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

花の下にて春死なむ

舞台になる「香菜里屋」のビールと料理が美味しそうです。

わりと重たくて切ない話が多いのですが

こじんまりとしたビアバーの雰囲気がいい感じで

それほど酒好きでないのに、一杯飲みたい気分になりました。

 

「回転寿司でマグロばかり7皿も食べるのは怪しい」ってのは

コナン並みのいちゃもんですが。。

 

 

【タイトル】

花の下にて春死なむ

 

 

【作者】

北森鴻

 

 

【あらすじ・概要】

 ビアバー 「香菜里屋」のマスター工藤哲也が

客たちの話から事件の謎を解く、6編の連作短編集。

 

花の下にて春死なむ

俳句同好会である「紫雲律」のメンバー

片岡草魚 がアパートで死んでいるのが発見された。

寒波に襲われた4月初旬、肺炎を悪化させての病死だった。

その死に事件性はなかったが住民票などの登録がなく

本当の名前や身元は一切不明だった。

 

「紫雲律」のメンバーで草魚と親しかった飯島七緒は

かつて草魚から下関出身であると聞いていた。

草魚の遺作から、故郷に思いこがれながら

戻ることができなかった彼の境遇を知った七緒は

その理由を探るため、下関に向かった。

 

家族写真

「香菜里屋」で飲んでいた客 東山や北たちが

とある新聞記事について話をしていた。

駅の貸出文庫にあった時代小説に、

白黒の家族写真が挟み込まれていた。

 

北は「地方から出稼ぎに来て戻らなくなった

父親に宛てた家族からのメッセージ」だと推理したが

そこには「香菜里屋」マスター工藤による

仕掛けが隠されていた。

 

終の棲み家

写真家の妻木は苦労の末個展を開くこととなったが

その宣伝用ポスターが大量に剥がされ盗まれてしまった。

 

河原で暮らす夫婦の生活を写して受賞した妻木だったが

自分の写真が夫婦の生活を壊してしまったことを

怖れ悔やんでいた。

 

殺人者の赤い手

マンションで若い女性が殺される事件があった。

現場から逃げ出す不審な男を目撃した小学生が

「男は赤い手をしていた」と証言した。

 

その街には「赤い手をした魔人が子供を襲う」

という都市伝説がひろがっていて、

その小学生の証言は、その噂に影響されたものだと

考えられていた。

 

七皿は多すぎる

「香菜里屋」の客たちが

「回転ずしでマグロばかり7皿も食べる男」の話をしていた。

女性板前に向けた、寿司の順番を利用した暗号なのか

推理していく。

マスターの工藤は、まったく別の視点から話を聞いていた。

 

魚の交わり 

飯島七緒が片岡草魚について書いた記事を見た男が

「自分の祖母と草魚に交流があったのではないか」と

問い合わせてきた。

祖母が残したという「絵入り日記」を読んだ七緒は

そこに草魚がいたことを確かに感じ取った。

 

数十年の昔、二人の間には何があったのか。

 

【感想・考察】

 「ちあき電脳探偵社」という子供向けの作品で

北森鴻さんを知り、本作も読んでみた。

 

「香菜里屋」には暖かい雰囲気が流れているが、

全体の雰囲気でなんとなく怖さを醸し出している。

 

トリックとか伏線の鮮やかさでもなく 

キャラ立ちがすごい、とかでもないが

なぜか心に残る作品だった。

 

 

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