毎日一冊! Kennie の読書日記

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サルトル 失われた直接性をもとめて シリーズ・哲学のエッセンス

サルトルの考え方を「簡単に」

説明する本とありますが

哲学的な言い回しは、私にとって

まったく「簡単」ではありませんでした。。

 

それでも、実存主義の考え方の外枠は

何となくわかったような気がします。

 

 

【タイトル】

サルトル 失われた直接性をもとめて シリーズ・哲学のエッセンス

 

【作者】

梅木 達郎

 

【あらすじ・概要】

 

「嘔吐」の世界

サルトルは文学作品を通しても

哲学を表現しようとした。

 

「嘔吐」の中では

抽象的な意味を失った事物と直接触れることの

不気味さを表現しているが、

最後には「無意味に存在すること」から

救われる可能性も描いている。

 

世界にじかに接している

「意識」は自分自身を反射する鏡のようなも野と考える。

意識は自己の内部に閉じるのではなく、

外界の事物への通じる志向性を持つ。

意識はその対象である世界と同時にある。

 

現実は意識を表象したものではなく

意識は外界からの刺激に反応したものではないとして

観念論と実在論の対立を乗り越えようとした。

 

不在のピエール

直接性を基に考えたサルトルは

直接意識することができないと考えられること、

例えば「ピエールが不在である」ことを意識するのは

「ピエールの不在が背景に浮かび上がる」ものとして

意識できるとした。

 

時間の導入

直接性を基に考えると、過去や未来をどう考えるか。

時間を超えた意識は今の自己と一致しないが

「過去の私」「未来の私」を隔てるものは何もない無で

あると考え、意識の絶対性を示した。

 

他者への到達

一方で他者は「対象としての他者」としてしか意識できず

他者の観点からものを見ることはできない。

ただ、他社を前にして変容する「対他的存在」として自分を通じて

他者を直接的に意識している。

 

歴史・社会からの疎外

多数の他者からなる社会や歴史で

サルトルは直接的な経験の及ばない「外部」に突き当たった。

 

 

 

【感想・考察】

 実存主義というのが「直接の接触」を

重視した思想だということは理解できた。

 

観念論的に「外界の事物は意識が形となったもの」

という訳ではなく、

かといって「意識は外界の刺激に反応する機械」だ

という訳でもない。

 

「意味のヴェールをはぎ取ったグロテスクな世界で

分かり合うことはできない他人と過ごす」という

サルトルの世界認識は、あまり楽しそうではない。

 

「世界の仕組みを知りたい」という気持ちはあるが

日々の暮らしでは、

「それなりに安定した今の認識で過ごせればいい」

と思ってしまう私は

哲学を突き詰める人にはなれないのかもしれない。

 

 

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