毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

青春SPOOKY!

新潟を舞台とした怪奇小説短編集です。

幽霊とか死体を蘇らせた傀儡とかが出てくるし

結構グロいシーンもあるけれど

不思議と怖さは感じなかったです。

 

 

 

【タイトル】

青春SPOOKY!

 

 

【作者】

ヤマダマコト

 

 

【あらすじ・概要】

 3つの短編集。

 

青春スプーキー

29歳の大山真司は長岡の家電量販店で働いていた。

ある朝、真司は 高校時代に死んだ 岡田恭介 の

幽霊と出会う。

 

恭介の姿は、恭介の両親や真司の妻 幸など

真司以外の人には見えなかった。

恭介は十数年ぶりとなる現実世界の街を歩き

姿が見えないことを利用してラブホ覗きを満喫していた。。

 

ある日、真司は恭介を連れ高校の同窓会に参加し、

二人が高校時代に憧れていた 宮崎聖子と再会する。

聖子がまもなく結婚すると聞き祝福したが

結婚相手が、女癖の悪い真司の上司であり

恭介が女子高生買春の現場を見ていた男 坂田だった。

 

二人は聖子と坂田の結婚を阻止する作戦を実行する。

 

天使の休日

少女の姿をした天使は温泉での束の間での休憩を終え

「救いの手を差し伸べる」任務に就く。

 

新聞社を退職し、妻とも別れた 遠山一貴は

岩室温泉近くの弥彦神社で行われている祭りに訪れた。

祭りの喧騒の中、異国の少女が佇んででいるのを見つける。

声をかけていた親切そうな女性 佐竹真理と一緒に

少女に食事を連れていった。

一貴は少女を警察に引き渡すことを勧めたが

少女は警察を恐れ、真理も引き渡すことを拒否した。

 

その後、マヤと名付けられた少女は真理と暮らし始め

時々、二人で一貴の家を訪れるようになる。

 

やがて一貴はフリーペーパーの記者として働き始めた。

取材するバーで人身売買の噂があると聞き

一貴はマヤとの関連を疑い始める。

 

鳥葬(その2)

以前の作品「怪物少女フォーエヴァー」にあった

「鳥葬」と繋がる作品。

 

教祖のオオハラは死者を「傀儡」として蘇らせる。

タスクとヒトシは教団施設に住みながら

「傀儡」として雑用をこなしていた。

 

ある時からタスクは、特殊な能力を持ち

教団の象徴であった ナギの世話役となる。

 

ナギの記憶の中の「海」を見たタスクは

ヒトシと3人で施設を抜け出し、

海に向かう冒険にでた。

 

 

【感想・考察】

 

ヤマダマコトさんの作品は不思議だ。

 

幽霊や死者の魂はどんどん出てくるし、 

肉体的には相当グロい表現もあるけれど

不気味さや怖さは無くて、

逆に、地に足が着いた安心感を覚える。

 

「幽霊」「天使」「蘇った死者 傀儡」という

「命のない存在」との対比で

「生きていること」が輝く構成になっているが

死者と生者の壁がとても薄いようにも感じる。 

 

そして 恋愛ストーリーや男の友情も、肉体を離れても

当たり前のように、流れ成立していく。

 

仏教的な輪廻思想とも少し違うし

唯物的な見方とも異なる

「土の匂いのする生死観」が

この作者独特の世界観を作っているのだと思う。

 

 

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