毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

モモ

初めて読みましたが、素晴らしい作品です。

児童文学であると同時に、

現代社会の大人たちへのメッセージでもありました。

むしろ大人こそ読むべき本なのかもしれません。

 

 

【タイトル】

モモ

 

【作者】

ミヒャエル・エンデ

 

【あらすじ・概要】

ある都会の町外れ、かつての円形劇場の廃墟に

少女モモが住み着いた。

 

モモはただ黙って相手の話を聞くことで相手の心を解放した。

喧嘩をしている大人の仲直りを手助けしたり、

子供たちの想像力の翼を広げたりして、

モモの周りにはたくさんの友達が集まってきた。

 

中でも寡黙な掃除夫のベッポと

おしゃべりな観光案内人のジジは

モモの良き理解者で大切な友達だった。

 

その頃「灰色の男たち」が密かに活動を始めていた。

彼らは時間貯蓄銀行と名乗り、

人々に未来のために時間を節約するよう呼びかける。

 

時間貯蓄銀行と契約した人たちは

灰色の男のことや、契約したこと自体は忘れてしまうが、

「時間を節約しなければ!」という思いだけが残る。

 

町中の誰もが

老いた親の面倒を見たり、

セキセイインコの世話をしたり

愛する人に花を贈るような時間は無駄で

仕事を効率的に一部の隙もなく、

こなしていく必要があると考えるようになった。

だが、そうして節約した時間は

時間泥棒である灰色の男たちに盗まれていき

そしてみんなが時間に追われ、

心を失った生活をするようになった。

 

モモは時間に追われる人々の話を聞き

その心を取り戻すことを助けていたので

灰色の男たちから危険視される。

モモは灰色の男たちからの誘惑に乗らず

彼らの目的を聞き出した。

 

モモと友達は子供を集め

時間泥棒の真の姿を訴えるデモを行ったが

大人たちには時間がなく、気にされることもなかった。

 

モモを恐れた時間泥棒たちは、彼女を捕獲しようとしたが

モモは甲羅に文字を浮かび上がらせる亀のカシオペイアに導かれ

時間を司る マイスター・ホラの元にたどり着く。

モモは時間の花が咲くところを見、星々の音楽を聴く。

 

その頃、灰色の男たちはモモを通してマイスター・ホラと会い、

人間の時間の全てを手に入れようと画策していた。

モモを操るため、彼女の友達を時間で縛り奪っていった。

 

モモは交渉には乗らず、再び出会ったカシオペイアとともに

マイスター・ホラの元に向かう。

灰色の男たちはホラが人間たちに時間を届けることを妨害し、

ホラは対抗するため、眠りに落ち全ての時間を止めた。

ホラから時間の花を受け取ったモモは1時間のうちに

灰色の男たちが集めた人間の時間を解放しなければならない。

 

モモと時間泥棒の戦いが始まる。

 

【感想・考察】

「人生で何事かをなすためには

すべての時間をそのために集中させなければならない、

目的に繋がらない時間の使い方は浪費だ」という。

そして効率を上げ時間を節約するほど、時間は無くなってしまう。

 

この本が書かれた50年前と比べても更に

現代人には時間がなくなっているのではないだろうか。

 

文明の機器は人間の仕事を軽減し時間を生み出すのではなく

24時間世界中どこでも繋がっていることで、

休むことなく、永遠に終わらない目標に追われ続けている。

 

自分たちが生み出した「灰色の男たち」に

首を絞められ続けている。

カシオペイアの言うように

「ゆっくり歩けば早く進む」のかもしれない。

 

ゆっくり生きる時間を取り戻したい。

 

 

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