毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

桐島、部活やめるってよ

高校での生活を描いた「青春小説」です。

タイトルにある桐島自身は出てきませんが

7つに分かれた各章の語り手たちに

直接・間接の影響を与え、状況が変化していきます。

 

最初はとっつきにくいと感じましたが

後半に入ってググッと引き込まれました。

 

 

【タイトル】

桐島、部活やめるってよ

 

 

 【作者】

朝井リョウ

 

【あらすじ・概要】

17歳の高校2年生たちの学校生活を描く。

桐島が部活を辞めたことが直接・間接的に影響していく。

 

野球部の幽霊部員ながら運動神経が良く、 

キャプテンに「試合だけでも出てくれ」と請われる菊池宏樹。

 

バレー部キャプテン桐島の抜けた後、

リベロとして試合出場の機会を得た小泉風助

 

自分の片思いの相手と気軽に話せる友人を羨む

ブラスバンドの部長の沢島亜矢。

 

スクールカーストの”下”にいることを意識しつつ

映画部で友人たちと映画作成に取り組む前田涼也。

 

ソフト部で、可愛く目立つ梨沙と自分の姉から

4番打者の座を奪い取ろうとする 宮部美佳。

 

一人だけ中学時代の回想となる、

自分の好きなものは「好きだ」と言うことを決めた

東原かすみ。

 

それぞれの章で

学校内でのスクールカーストが生み出す羨望と不自由さ、

不完全燃焼の息苦しさ、

自意識の高まりと現実での挫折、

などが、各語り手の立場から語られる。

 

【感想・考察】

それぞれの語り手の繊細な感受性が

自分の学生時代とずいぶん違っていて

最初は中々入り込めなかった。

 

学校の中で陽キャ、陰キャはいたが

階層として人間関係が固定されることは

なかった気がする。 

 

だが、後半に入り 涼也、実果、宏樹、かすみ 達の話で

「好きなものは好きと言える」、

「好きなことに全力で打ち込む」

 ことの素晴らしさを感じる。

 

子供の頃は自分が好きなことに意識的になれず

枠の中に納まろうとしてしまい、それでうまくいくが

むしろ社会に出てからの方が

自分の軸となるモノを問われることが多いと思う。

 

17歳というのは、

「快適な人間関係を作ること」

を学ぶ時期であることは間違いないが

「好きなものに打ち込む経験」

ができる時期でもあれば素晴らしいと思う。

 

桐島は出てこなかったけれど、面白い作品だった。

映画版では人間関係などが少し違っているようだが

そちらも見てみたいと思う。 

 

 

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