毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

読書の価値

森博嗣さんの書かれた「読書」についての本です。

自身の読書遍歴から、文章を書くことについて

はたまた 出版の未来予測まで

幅広い話題が取り上げられていますが

どれも著者独特のクセがある切り込み方です。

 

「本を読むこと」の意味づけもきちんと定義して

自分なりに整理しているのがすごいですね。

 

 

【タイトル】

読書の価値

 

 

【作者】

森博嗣

 

 

【あらすじ・概要】

 

僕の読書生活

著者は遠視の影響で文章をまとまりとして捉えるのが苦手で

極端な遅読派だった。

 

実用書から知識を得ることが中心だったが

物語は無駄が多いと思っていたがミステリの翻訳小説には惹かれ、

娯楽としての読書があることを理解していく。

 

高校時代には漫画にも傾倒するが、

大学に入り、その後研究職につく頃には

実用的なもの以外は読書から遠ざかっていた。

 

本の選び方

本との出逢いは人との出会いと同じ。

 

「未知」を求める読書と

自分の考えを確認し補強するための読書がある。

著者は「未知」を求めるタイプ。

ベストセラーはほとんど読まない。

 

本は人から勧められて読むものではなく

「自分で選ぶ」ことが大事。

 

良いところを吸収しようと素直に受け入れれば

必ず得るものがある。

本に良い悪いはなく、合わないと思っても

「その時の自分には、理解できなかっただけ」と

評価を保留する。

 

上手な文章の書き方

文章を書くためには、

まず自分の考えを外に出す。

その上で他人に伝えるという意識で見直す。

 

自分の文章の読みにくさには気が付きにくいが

しばらく時間をあけると客観的に読める。

上達するとその時間が短くなる。

 

インプットとアウトプット

頭の中に知識をインプットするのは

「歩く辞典」になるためではない。

新たなアイデアを思いつく時には

過去にインプットしたものが結びついている。

 

アイデアが浮かんだ後、検証し具体化する段階では

情報は外部から取ってくることができるが

アイデアが生まれるまでは頭の中の情報量が重要。

 

ゆっくりとイメージを展開しながら

読むことで発想につながる読書となる。

 

感想文や評論という形のアウトプットには

あまり意味がない。

「何を書こうかな」と考えを巡らせるところに意味がある。

幅を広げて、迷いの中から着眼点を定めることが大事。

 

読書の未来

縦書きは数字やアルファベットが混じる文章は

横書きの方が適している。

 

日本では電子書籍の普及が遅れているが

利便性は高く、今後紙の本に置き換わることは間違いない。

そうなると中間業者が消えて行くことになる。

 

 

【感想・考察】

「本との出会いは人との出会いと同じ」というのは

その通りだと思う。

 

自分の感性と合わない本を切り捨てるのではなく

人と対面するときのように敬意を持ち

積極的に価値を見出そうとする姿勢を持つことで

必ず得るものがあるのだと思う。

 

一方で、著者のずば抜けたイメージの展開力や

記憶力には残念ながらついていけない。

 

「あらすじ」を書く感想文は無意味だと言い切るが

私レベルの貧弱な記憶力では、一度咀嚼して書き出すことで

記憶を定着させる必要がある。。

 

また紙の本から電子書籍に移行するという見方には同意する。

現状の電子書籍にはまだ不満も多いが、

保管や持ち運び、読みやすさの面でも利便性が高い。

作者と読者の関係も変わっていくのだろう。

 

 

当ブログは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムであ「Amazonアソシエイト・プログラム」に参加しています。