毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

四つ話のクローバー

自信を失った男が

友人の祖父が残した寓話を聞き

再び幸せをとり戻そうとする話です。

4つの物語の連作です。

 

夢をかなえるゾウ」で

ゾウの神様が成功法則を説くのも良かったですが

このスタイルも面白おかしくて

それでいてメッセージが沁みてくる良さがあります。

 

【タイトル】

四つ話のクローバー

 

【作者】

水野敬也

 

【あらすじ・概要】

東京でコンサルティング会社に就職した

「あっちゃん」は

上司とのそりが合わず、結局解雇され

再就職できないまま地元に帰ってきた。

 

地元で久しぶりに会った友人「神谷」から

彼の祖父が残したという物語を聞き、

幸せをとり戻していく。

 

深沢会長の秘密

一介のサラリーマンだった西は

大企業グループの会長である「深沢響」から

「この世界に存在するたった一つの成功法則」を

教えてもらう権利を得た。

 

深沢の説く成功法則は「頑張る」ことだった。

「頑張らずに成功する」ことを目指すのではなく

「どうしたら頑張れるか」に目を向けるようにという。

 

多くの人が頑張れないのは

「二つの欲望がぶつかり合っている」からで

「痩せたい」けど「食べたい」状況で

「食べたい」が勝ってしまうからだ。

 

人間は我慢することはできない。

「大きな願望で小さな願望を従わせる」ことが必要だ。

「痩せる」ことでどんなに良いことがあるかを

徹底的に「想像」し、願望を大きく育てる。

 

「頑張らなければならない」→「頑張りたい」と

変化させることが唯一の方法だという。

 

 

ハッピーコロシアム

年末恒例のTV番組として

JHC(ジャパン・ハッピー・クラッシック)が

高視聴率を取っている。

JHCは脳に付けた装置で「幸せ度」を検出し

幸せさを競う番組だ。

 

今年のファイナルは若手実業家の 「真田」と

何よりも感謝を大切にする「天海」の対決だった。

 

数十万円の高級フレンチを食べる真田と

メザシとご飯を食べる天海の幸せ度対決、

周囲からの罵倒に対応する対決で肩を並べた二人。

 

真田は「欲望」が人を前進させる原動力だと言い

天海は「感謝」が帰る場所であると言う。

 

見えない学校

天使の手違いで、まだ死ぬべきでないのに

幽霊となってしまった「カキザキ」は

自分の体に戻るための条件として試験を出される。

「電車に乗る人には見えていないけれど、

みんなのことを考えている人には見える景色」を

写真に収めるという課題だ。

たとえ自分が嫌う人であっても

共感する心を忘れないことが大事だと説く。

 

氷の親子

夏が終わり「氷の動物園」が閉館された遊園地。

遊園地から歩織り出された氷の熊の親子、

熊五郎と小太郎は徐々に溶けて行ってしまう。

 

熊五郎は「肝を冷やす」と聞いていた

ジェットコースターやお化け屋敷を訪れ

少しでも体を冷やそうとするが効果はない。

 

最後に乗った観覧車で熊五郎は小太郎だけでも

助けようとする。

 

 

【感想・考察】

それぞれの話で、

 「願いを強く思い描くこと」

 「欲望を原動力としつつ、感謝を忘れないこと」

 「人への共感を忘れないこと」

 「命のある限り、全力で生きること」

を説いている。

 

象とか馬とか熊とか、動物に語らせたり

コミカルな舞台装置を作ったりして

説教臭くない「説教」になっている。

 

本当に「伝え方」のうまい作者だと思う。

 

 

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