毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール

 マッキンゼー、NTTドコモ、リクルート、Google、楽天など

多くの会社で働いてきた著者による「働き方」についての提言です。

とても「強い」人の視点ではあるのですが、勇気がもらえる本でした。

 

【タイトル】

どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール

 

【作者】

尾原 和啓

 

【あらすじ・概要】

インターネットなどの技術の発達や

長寿命化による勤労期間の長期化などで

「個人と会社の関係」や「働き方」が変わる中での

戦略を解説する。

 

1.いま起きている3つの変化

 ・社会やビジネスがインターネット化する

 ネットの本質は「リンク」「フラット」「シェア」

 個人の働き方はフラット化し、成果をシェアしていくことになる。

 

・活躍できるのはプロフェッショナルだけ

 自分は何者で何ができるのかを公言できる人がプロフェッショナル。

 ネット時代に適した働き方ができるのはプロフェッショナルだけ。

 

・個人と会社の関係が変わる

  プロフェッショナルと会社の関係はフラットになり

 利益をシェアする関係となっていく。

  

 

2.誰とでも働ける仕事術

・まずは与えることが大前提

 まずは自分のスキルを提供することで

 新しい経験を得ることができる。

 「ギブ&テイク」ではなく「ギブギブギブギブギブ&ギブ」

 知識をオープンにすることで、

 周囲も自分にその知識があることを示すことができ、

 さらに情報が集まってくる。

 

・PDCAからDCPA

 技術進歩により試行のコストが下がっている。

 PDCAではなく、DCDCDCと繰り返すことが成果につながる。

 試行回数を上げていくことが勝負を分ける。

 

・プロフェッショナルの条件と期待値コントロール

 プロフェッショナルは「常に相手の期待を超えること」が必要。

 常に「なぜその行動をするのか」の説明責任を果たし、

 徹底的に投資対効果を高めていく。

 また逆に、相手の期待値を上げすぎないコントロールも必要。

 

・Googleでのラショネールとハーパー性善説

 Googleでは、行動を合理的に説明できれば Goがかかる文化があった。

 その目的合理性をラショネールと呼ぶ。

 また「ヒトを疑うこと」をコストと捉え、

 Googleの価値観を共有している仲間を信じることが大事にされた。

 

 

3.転職哲学

・自分の市場価値の確認

 実際に転職するつもりがなくても、

 自分の市場価値の把握のため転職情報を調べることは有益。

 「いつでも辞められる」という気持ちが

 パフォーマンスを高めることもある。

 

・スキル細分化で稼ぐ

 自分のスキルを細かく分け、市場価値のある部分を見極める。

 自分が活躍できる場を探す。

 

・転職は手段でもある

 その会社で成果を残すという目的だけではなく、

 その会社でスキルや知識を身に付けるという手段として

 転職する者あり。

 同じ業種で違う職種や、違う業種で同じ職種など

 スライドするような転職方法もある。

 

・「始まりの場所」にいること

 自分の強みを作るのに、一番簡単なのは

 「何かが始まる場所」にいること。

 始まりの場所にいるため、近い将来の予測をしたり

 社内でも新規のプロジェクトに手を挙げたりすると良い。

 

 

4.AI時代の働き方のヒント

・AIに負けない働き方

 Google的な効率追求は AI に置き換えられる。

 一方で、ニッチな「好き」を極めるのは人間的。

 自分の「好き」を市場に出して価値を見極める。

 

・三木谷曲線

 楽天の三木谷氏が提唱。

 努力は最初のうちは成果に結びつかず、

 大半は途中であきらめてしまうが最後に急に伸びる。

 そこまで粘った数%の人が、成果の大部分を独占する。

 

・スキルからエクスパティーズとネットワークへ

 「強み」を活かすのがAI時代の戦略だが、放っておくと陳腐化する。

 「スキル」だけでなく、

 「エクスパティーズ(高度な専門性)」や

 「ネットワーク(解決できる人との縁)」が重要になってくる。

 

・誰とでも仲良くなる方法

 ネットワークを広げるために必要な要素として

  ・マイクロインタレスト(ニッチな興味)、

  ・自己開示

  ・コミットメント

  を挙げる。

 

 

【感想・考察】

大きな組織と「フラット」になれる「強者」の

理論なのだとは感じる。

 

ただ、インターネットは確かに知識や機会を安価にし

挑戦のリスクを下げている。

世界を「フラット」であると認識することで、

挑戦できるのかもしれない。

 

信頼値が徹底的にオープンになる世界で

自分の価値を上げていくためのヒントは、

「ギブ&テイク」ではなく「ギブギブギブギブギブ&ギブ」

「自己中心的利他」といったところにあるのだろうとも感じた。

 

もう少し攻める気にさせるような、勇気をくれる内容だった。

 

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