毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

世に数多ある「成功法則」を

エビデンスベースで検証しようという本です。

 

 

【タイトル】

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

 

【作者】

エリック・パーカー

 

【あらすじ・概要】

 

・成功するにはエリートコースを目指すべき?

高校卒業の時点で特に優秀だった人は

平均以上の収入を得ているが、

「並外れた実績」を上げることは少ない。

「ふるいにかけられていない」粗の残る指導者が

偉大なリーダーとなり、大きな成果を残すことができる。

 

まず、自分が「ふるいにかけられた」存在なのかを知る。

次に「自分に合った環境を選ぶ」ことが成功要因となる。

 

・「いい人」は成功できない?

統計上、短期的には親切な人は損をする。

 

一方で「世界で最も幸福度が低い」モルドバでは

相互信頼が低く、人や社会のために貢献する意識も低い。

結果的には社会全体としての満足度が

久しく低下しているという事実もある。

 

ギバー(与える者)、マッチャー(間を取る者)、

テイカー(利益を取る者)の3つの立場を取り得る。

平均するとテイカーが上手くやるが、頂点に立つのはギバー、

一方で最下位にいるものギバーだった。

 

「過度に与え過ぎず、マッチャーを味方に付けられるギバー」

が最も強い。

 

「繰り返しの囚人のジレンマ」のシミュレーションで

「先に信頼、裏切られたらしっぺ返し」が最強となるのも

与える範囲を限定し、対応的に動く層を味方に付けるからだ。

 

・勝者は諦めず、切り替えが早い者は勝てないのか

  「やり抜く力ーグリット」が成功の鍵だというのは、多くの場合正しい。

   だが、時には見切りをつけることが最善の選択ということもある。

 

やり抜く力を持つ人は「ポジティブな心のつぶやき」を

持つという共通点があった。

 

楽観主義は、健康状態を改善し、交渉を有利に導き

幸運に恵まれることになる。

悪いことは一時的なもので、普遍的ではなく、

自分の落ち度ではないと考える。

 

極限状態で人を支えるのは、ストーリーだ。

現実は混沌としているが、心の中に持つストーリーが

認知バイアスとなり、意義のあること捉えられていく。

人は表向き装う通りの人間になることから逃れられない。

 

WNGF (Winnable, Novel, Goals, Feedback) の条件が

整えられたゲーミフィケーションで、

楽しみながら情熱を持ち続けることができる。

 

一方で、目標に向かって腰を据えて取り組むためには

目標につながらないことに執着することで

「グリットに足を取られる」人も多い。

 

最後までやり通すべきもの、諦めるものを見極めるのに

WOOP (Wish, Outcome, Obstacle, Plan) が役に立つ。

願い、成果に対して障害があれば、それを排除する計画を立てる。

 

いわゆる「引き寄せの法則」はありえない。

すでに願いが叶ったというイメージが、

達成に必要な資源集中を妨げる傾向があるとする。

 

・なぜ「ネットワーキング」はうまくいかないのか

成果を出した人の中には、周囲に多大な影響を与えた

数学者エルデシュのように外交的な人もいれば、

自分の研究に没頭しコミュニケーションが取れない

ニュートンやアインシュタインのようなタイプもいる。

 

外向的な人の方が、より多く稼ぐ傾向があり

企業のCEOなどリーダの地位にある人は

外向的であるケースが多い。

 

一方で内向的な人は重要なことに集中できるため

専門分野で卓越する可能性が高い。

科学者や芸術家、アスリートには内向的な人が多い。

 

ネットワーク作り(人脈作り)と捉えるといやらしいが

人間の脳は講師を区別することが難しく

私的に親しいことは大きなメリットとなる。

共通点を探し、共感して傾聴し、ギバーになることで

友達を作ることは有意義だとする。

またメンターを持つことにも意味がある。

 

・自信を持つのには効果がある?

 

自信を持つことは実績を上げることにつながる。

有能である印象を与えやすく、リスクをとることができる。

一方で実力を伴わない自信は妄想や傲慢さにつながり、

致命的なリスクとなる可能性も高い。

無能な者よりも自信過剰な者の方が危険をもたらす。

 

一方で悲観主義者が批判的な視点で自分の欠点に向き合うと

より強い学習意欲を生み、成長につながる。

 

ただ、自信の有無はどちらも自尊心をベースにしていて

どちらに転んでも、不利益が多い。

むしろ「セルフ・コンパッション」で自分を許すことで

自信のジレンマから逃れることができる。

 

・「仕事バカ」か「ワーク・ライフ・バランス」か

 膨大な生産力は長時間労働から生まれるというのは

夢がないが間違いない現実。

組織の中でも無我夢中で働く一部の人間が

大部分の成果を出している。

 

ただ、単純に長時間働くだけでは成長につながらない。

「自分の仕事に意義を見出している」場合には

長時間労働も苦にならず、成長・成果につながりやすい。

逆に意義の感じられない仕事は幸福感を阻害する。

 

自分で選ぶチューザーなのか、与えられた選択肢から

選ぶことを余儀なくされるピッカーなのかが問題。

自分でコントロールしているという感覚はストレスを防ぐ。

時間の使い方を調査し、計画をして予定表を作り

自分の状況をコントロールすることが大事だとする。

 

 

【感想・考察】

「成功法則」を語る本は、

「成功している人が、自分が勝った方法」を解説するものや

宗教的だったりスピリチュアルな方向にいくものも多い。

 

この本は、極力エビデンスベースで話しそうとしている分、

中庸でバランス重視の、派手さのない主張になっている。

 

・かっちりしている人は重要だけど、

型にはまらない人が成果を上げることもある。

自分を知り自分に合った環境に身を置くことが大事。

 

・長期的には、いい人が得をするけれど、

ずるい人に負けないようにしなければならない。

 

・自信過剰も自信がないのも良くない。

自尊心ではなく事故を許す心を持とう。

 

などなど、ある意味王道で当たり前の話だ。

 

やはり「〇〇すれば✖️✖️!」みたいな

ショートカットではなく、地道に行くのが

「成功法則」の本筋なのかもしれない。

 

 

 

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