毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方

運動は脳を鍛えて、様々な問題を解決するということを

学術的な話を交えて解説していく本です。

ちょっと長くてくどい文章ですが、面白いです。

 

 

【タイトル】

脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方

 

 

【作者】

ジョン・J・レイティ、エリック・ヘイガーマン

 

 

【あらすじ・概要】

運動はセレトニンなどの神経伝達物資だけではなく

ニューロンの成長にも影響するとし、

脳や心に関わる様々な問題の解決に運動を推奨する。

 

学習

運動はBDNF(神経栄養因子)を増やす。

BDNFはセロトニンやシナプスの材料となるタンパク質の

生成を促進し、シナプスの結合強化に貢献する。

また運動は海馬におけるニューロン新生にも

関与していることがわかった。

最大心拍数の70%程度で30分程度の運動をすると

最も効果が高い。

 

ストレス

慢性的な過度のストレスは心身を蝕む。

扁桃体がストレスを受け取ると、副腎からノルアドレナリンや

コルチゾールが分泌されると、脳のエネルギー供給が

一部に限定され、そのほかの部分が犠牲になってしまう。

慢性的なストレスでコルチゾール過多の状況が続くと

海馬のニューロンが重要でない情報を遮断し、

新たにものを覚えることを阻害する。

運動により脳内の血流が変化し、前頭葉から大脳辺縁系に

シフトすると、闘争・逃走反応が起きる閾値が上がる。

またBDNFの増加はコルチゾールの量もコントロールする。

 

不安

パニック障害は、ストレス反応で

交感神経とHPA系(視床下部ー下垂体ー副腎)軸の

活動が高レベルになると発生する。

運動は遊離脂肪酸を利用するため、トリプトファンと

結合していたアルブミンを奪い、トリプトファンが脳内で

セレトニンとなることを促進する。

セレトニンは安心感を高める。

SSRI(選択的セレトニン再取り込み阻害薬)に近い効果。

また運動はGABA分泌も引き起こし、脳内の不安の連鎖を止める。

 

うつ

運動はエンドルフィンの分泌を増やす。

またドーパミンの分泌もそくしんし、気持ちを前向きにする。

脳内の「報酬中枢」でドーパミンを受容する受容体も増やす。

長期にわたるうつ病患者は海馬が縮小する傾向にあるが、

運動は海馬に新たなネットワークを作ることを促進する。

 

注意欠陥障害(ADHD)

扁桃体が刺激に対して敏感過ぎたり、注意システムを

調整しているノルアドレナリンやドーパミンのアンバランスが

ADHDを引き起こしている。

定期的に運動すると、ノルアドレナリンやドーパミンの分泌が増え

脳に受容体が増えることで、閾値を上げることができる。

これが過度に驚いたり反応したりすることを防ぐ。

 

依存症

依存症からの回復には「空いた場所に入れるもの」が必要。

コカインやアンフェタミンなどの薬物は側坐核の樹状突起を

著しく成長させる。一度やめても強烈に求め前頭前野の理性では

コントロールできない。

運動によるドーパミンはコカイン等よりは弱いが

快を呼ぶ物質として代替しうる可能性がある。

 

ホルモンの変化

生理前のPMSや閉経後には、ホルモンバランスの乱れから

心身に影響を及ぼすが、運動によるドーパミンやノルアドレナリン、

BDNFなどの分泌や、セレトニン濃度の向上などが

心身のホルモンに対する反応を安定化させる。

妊娠中も胎児への栄養供給の安定化や、妊娠時糖尿病の防止などの

目的で運動が推奨されている。

 

加齢

運動は高齢者の心血管系の病気や、糖尿病のリスクを減らす。

ウエイトトレーニングなどは骨密度を維持することに役立つ。

また運動によるニューロンの再生で認知症などを予防する効果も見込める。

 

 

【感想・考察】

「全ての問題は筋トレが解決する!」とかいう本と同じくらい

手放しでの「運動礼賛」だった。

脳の機能を鍛えるだけでなく、(海馬など限定された箇所だが)

ニューロンの再生も確認されているというのは面白い。

 

運動のモチベーションに直結する本だった。

 

 

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