毎日一冊! Kennie の読書日記

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エターナル 前編・後編

「愛をとり戻せ!」というSFです。

前作の「エンジェル」の300年後の話で、前作の後に読むことをお勧めします。

 

 

【作者】

如月恭介

 

【あらすじ・概要】

300年前人類は、創造主が仕込んだ「種としての寿命」の罠を見抜き、

一握りの人間に未来を託した。

人類は数十万人となってしまったが、程なく個としての寿命も克服し、

「エターナル」と呼ばれる居住区の中で急速な科学の発展を遂げた。

 

エターナルの中では徐々に中央集権的な政治が行われる。

エターナル政府は、7000年ぶりに人類の創造主である「アヌンナキ」

の星が最接近を迎えるタイミングで、彼らと対決することを計画する。

 

その頃、人間は遺伝子操作で「ヒト」という新たな種を生み出し

人間を神と崇めさせ絶対的な服従下に置いていた。

また「ヒト」には短めの寿命を設定し、文明の発展を防いでいた。

人間は「ヒト」を洗脳し、アヌンナキとの闘いの

前面に立たせようとする。

 

300年前に人類を救った英雄、ジュリアと京極の子供である

京極達也は、かつて専制的な政府にクーデターを仕掛け失敗していた。

エターナルの片隅に追いやられた京極達也は、

「ヒト」との交流を深めるうち、彼らの純朴な心に惹かれ

「ヒト」を利用して闘いを挑もうとする政府に再び反旗を翻す。

 

 

【感想・考察】

前作「エンジェル」の緊迫感のある展開と比べて

やや大味になっているのは残念。

「人類と創造主の戦い」と風呂敷を広げ過ぎた感がある。

 

人間が永遠の寿命を得ることで

「人を愛する気持ち」は薄れてしまうという見解は面白い。

また人が死ななくなることで、社会体制は固定化し

徐々に集権的な体制になるだろうという見方も納得性がある。

 

人類が将来「超長寿」を得ることになった場合の

シミュレーションSFとして読むと興味深い。

 

 

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