毎日一冊! Kennie の読書日記

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九十九の名前

 イスラム過激派のテロと思われる飛行機墜落事故と、それに対するドイツ国民の反応をドキュメンタリー風に描いた小説です。

ドイツ国民が、移民や異文化の受容に複雑な思いを抱いていることが伝わってきます。

 

【作者】

イェンス-ミヒャエル・フォルクマン

 

【あらすじ・概要】

フランクフルト上空で航空機が墜落し、乗客や被災地の住民たちに甚大な被害が生じた。

航空機の通信を傍受していたハッカーが、墜落直前に「アッラーフ・アクバル」と叫ぶ男の声をネットにアップロードしたことで、イスラム過激派によるテロとの見方が強まった。空港職員や生き残った乗客の証言で、悲壮な顔をしたアラブ系の乗客がいたことも伝わる。

関係者の証言やマスコミ、容疑者親族の証言などが視点を変え、時間軸をシャッフルしながら描かれる。

 

【感想・考察】

先日読んだ「ある愛の終わり」という話でも、ドイツでの移民政策が論点となっていた。

ドイツではナチスへの反省から、異民族・異文化の受容に対して、公に反対できない雰囲気があるのだろう。それでも実際には流入してくる移民を歓迎できない人も相当数いるのは間違いないだろう。

日本でも移民受入れには拒否反応があるし、香港に居たときにも大陸人の流入に凄まじい嫌悪感を持っているのが伝わってきた。

移民の受入れには先住者にとってメリットもデメリットもある。しかし「縄張りへの侵入」に対する本能的な拒絶反応が、理性的な判断を邪魔するのだろう。

本能的な拒絶であるならば、じっくりと時間をかけ意思疎通をしていくしかないのだろう。

 

【オススメ度】

 ★★☆☆☆

 

 

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