なぜ、あなたの話はつまらないのか?
放送作家の立場から「面白い話」の作り方を説く本です。
「相手を喜ばせよう!」という思いが大事なのですね。
【作者】
美濃部達宏
【あらすじ・概要】
「面白い話」を作る方法を説く。
①相手が共感できるテーマを選ぶ
家族・学校・食・住・恋愛・芸能などは共通する経験も多く、共感を得やすい。
・鉄板のネタを準備しておくことも重要。
・自分の「情けない話」は共感を得やすい。
・情景を想起させる「例え話」も共感を呼ぶ。
・自分のコンプレックスを前面に出すことでも親近感を得られる。
②話す順序を構成する
「フリ」で話の流れを予想させ、「オチ」で予測を裏切り意外感を出す。
レーガン大統領のスピーチから「私には9つの強みがある。1つ目は卓越した記憶力だ。2つ目は、えーと、、なんだっけ??」という「フリオチ」を紹介。
「○○なのに××」という意外性のある展開を作る練習を推奨する。
③スパイスとしてのテクニック
話を面白くするための、いくつかのテクニックを紹介。
・シンクロニシティ法 :相手との共通点を探し、親近感を得ていく。
・ギャップ法 :「いつもの自分と違う自分」を演出する。
・擬音語/擬態語:カエルを潰す「メメタァ」など、独自の擬音語。
・毒舌法:相手に対する愛を込めた毒舌。
・たとえツッコミ:何かに例えてツッコむ。
・独り芝居:登場人物を自分の声色で演じる。
・適温下ネタ:相手との距離感を読んだ適切な下ネタ。
・雑学プレゼント:独りよがりにならず話題を展開させる雑学。
【感想・考察】
相手が共感しやすいゾーンで、相手の予測を裏切り、感情を動かすことが、「面白い話」の肝になるということだ。
「相手に喜んでもらう」ことを楽しむのが「コミュニケーション能力」の本質なのだろう。そこを楽しめる人間であれば、相手との共感ポイントを探したり、相手の感情を揺さぶるような話し方を工夫することができる。
タイトルからは会話のテクニック的な内容だと思ったが、それ以上にコミュニケーションの本質に迫るような本で、有益だった。